うつ病というと一般的に「気持ちが落ち込む」、「やる気が出ない」など精神的な症状に注目しがちですが、実は身体的な症状にもあらわれている場合が多々あります。
うつ病 の 症状 を知って早期発見ができれば、軽度のうちに対処できます。
知らないうちにうつ病の症状が出ているかも!?
うつ病の症状のあらわれ方
私たちは社会生活、家庭生活を送る中で、人間関係のトラブル、仕事でのストレスなどいろいろなことが起こります。それが原因で、気分が落ち込んだり、悲しくなったり、憂うつな気分になったりすることがあります。
しかし、そういった気分も数日もすれば回復して、また元気にがんばろうと思える力を私たちはもっています。
しかし、問題を解決しても尚、気持ちが沈んだままで回復する兆しがみえない場合があります。かえって憂うつ感が強まり、それが長期間に及ぶと通常の生活を送ることが困難になってきます。
思い当たる原因がないのに気分が沈む、よく眠れない、だるい、疲れるなどからだの不調が症状にあらわれ続けた場合、うつ病の疑いがあります。
これらの症状は1日のなかで時間の経過とともに変化します。多くの場合は、朝が最も症状が悪く、夕方にかけて徐々に回復していきます。こういった変化もうつ病の特徴です。
こころの症状
こころにあらわれる症状として、気分が落ち込んだり、悲しくなったり、憂うつな気分になることはよく知られています。
その他、症状として思考力が低下したり、集中力がなくなったり、勉強や仕事の効率が落ちたりします。そして、判断力や決断力が鈍り、注意力が散漫になり、仕事でミスをしがちになります。また、人が話していることを理解することができなくなり、反応が鈍くなります。
今まで行ってきた好きなことや趣味をやる気が起きず、友人や家族と話すのも億劫になり、人と会うことも避けはじめます。
すべて悪いほうに考え、必要以上に自分を責め、周囲の人に申し訳ないと考えてしまい、症状が悪化すると生きていくのがつらい、死んだほうがましだと考えるようになります。
からだの症状
からだの不調が起こることもあります。よく眠れない、目覚ましより早く起きてしまう、何度も目が覚める、眠った気がしないなどの睡眠障害の症状が出ることがあります。
また、食欲がなく、何を食べても美味しくない、食べるのも面倒、ダイエットしていないのに体重が1ヶ月に数キロ減少してしまうことあります。その逆に必要以上に甘いものが欲しくなり、過食などで体重が増加したりする場合もあります。
こころのストレス状態が長期間継続する場合、交感神経が過剰に反応して、発熱の状態が続くこともあります。
その他さまざまな部位に痛みを発症することもあります。頭が締め付けられるような痛み、肩や首がこる、目や耳、口の痛み、手足や腰が痛い、胸が痛い、息苦しさ、窒息感などの症状があらわれ、内科で診断しても異常なしと言われることがよくあります。
また鎮痛薬を服用しても痛みが続きます。こういった場合は、うつ病を疑った方がいいかもしれません。
うつ病になると自律神経のバランスが崩れるので、からだのだるさ、めまい、異常の発汗が起こることもあります。ホルモン分泌の異常が出る場合もあり、性欲が減退したり、生理不順になることもあります。
こころやからだの不調に気づいたら?
うつ病の症状は多くの場合、こころの不調だけではなく、自律神経やホルモンバランス、免疫などに大きな影響を及ぼすため、いろいろなからだの不調となってあらわれます。
からだの症状はこころの症状と比較するとわかりやすいものですが、うつ病が原因であると判断されにくいものです。実際に、うつ病と診断された患者の半数以上の方が体調不良で内科を受診していたという報告があります。
こころやからだの不調が長引く場合は、軽度のうつ病と考えたほうがいいかもしれません。
初期段階の軽度のうつ病の場合、専門医の適切な診断と処置を受けることが望ましいですが、セルフケアにより回復できる場合もあります。セルフケアで最も基本となるのは十分な休養です。
朝起きて、夜眠る、バランスの良い食事を摂るといった規則正しい生活を送ることで、自律神経のバランスを整え、ストレスを緩和します。
睡眠障害に悩む人の中には飲酒で解消しようとする人もいますが、かえってアルコール依存状態を引き起こす場合があり、うつ病を悪化させてしまうことがあるのでおすすめしません。
セルフケアが難しい場合は、専門医に相談することをおすすめします。うつ病はきちんと医師の診察を受け適切な治療を行えば、治すことが可能です。
まとめ
知らないうちにうつ病の症状が出ているかも!?
うつ病の症状のあらわれ方
こころの症状
からだの症状
こころやからだの不調に気づいたら?