全身性エリテマトーデス とは全身の臓器に原因不明の炎症が起きる疾患で、難病に指定されています。この疾患は、圧倒的に女性に多く発症し、10代-30代が患者の90%を占めています。
難病といえども、周囲の支えと笑顔で絶対に乗り越えられます!
周囲の支えと笑顔で乗り越えられる!全身性エリテマトーデス
発症誘因
発症原因は特定されていませんが、発症誘因と考えられているものがあります。
紫外線、ウィルス感染(風邪も含まれます)、外傷、外科手術、妊娠、出産、薬剤などです。
全身性エリテマトーデスは膠原病に分類されており、全身性自己免疫疾患と位置づけられています。
自己免疫疾患になると、自己免疫が自身の体内組織や成分すら異物と勘違いし攻撃してしまい、すべての臓器で炎症が引き起こされます。
こうして全身性エリテマトーデスが発症すると考えられています。
診断
全身性エリテマトーデスの診断では、両側の頬の赤い発疹(蝶形紅班とよばれ、蝶が羽を広げたように見えます)がみられ、また顔面、耳、頭部、首周りのディスコイド疹(ひとつの発疹が丸く、ディスク状にみえます)もみられます。
また日光過敏、口内の潰瘍、関節炎、肺、心臓、その周辺臓器の体液貯留(漿膜炎)、腎臓機能障害を引き起こします。
その他、血液検査での陽性反応(抗核抗体、抗二本鎖DNA抗体、抗リン脂質抗体あるいは抗スミス抗体)が認められ、血液異常(白血球、赤血球、血小板の減少)、神経と脳の機能障害がみられます。
顔面の蝶形紅班は大変特長的ですし、全身の倦怠感や関節炎など自覚症状もありますので、最近体調が悪いという方は、リウマチ膠原病科、腎臓内科、皮膚科などを受診してください。
症状
初期症状で確認されているのが、急な発熱、関節炎、そして顔面蝶班です。
また、片頭痛、てんかん、重度の精神病なども、最初の体調異変として確認されています。
その後、ほとんどの方で全身の倦怠感、関節や筋肉の痛みがあります。動けないほどの倦怠感や全身の疲労感に襲われるため、食欲減退に伴う体重減もみられます。
症状の具体例として、関節炎は患者の90%が発症します。
その他、蝶形紅班、皮膚隆起や薄い斑点、日光過敏、粘膜潰瘍(口内、歯肉、鼻腔)、脱毛、爪の周辺の赤みや腫れ、呼吸時の痛みがみられます。
また、肺膜炎、肺炎、心膜炎症、脾臓の腫大、頭痛、軽度の思考障害、人格変化、脳卒中、てんかん、重度の精神病、抑うつ、足のむくみ(浮腫)、タンパク尿、出血しやすい、吐き気、嘔吐、便秘、下痢、腹痛なども挙げられます。
全身性エリテマトーデスでは、こういった症状が、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、数ヶ月もしくは数年に渡って継続します。再発、長期化、慢性化、重症化しやすいのが特徴的です。
治療
全身の臓器で炎症が起きていますので、まず炎症を抑え、臓器の損傷や悪化を防ぐための処置がとられます。
軽度の場合は、集中治療は行われず、非ステロイド性抗炎症薬で関節炎を軽減し、その他薬剤を併用して皮膚炎を抑えます。
しかし、重症の場合は、臓器の損傷や癒着が起きている可能性が高いので、即効、コルチコステロイド薬が投与されます。
この疾患では、自己免疫反応によって患者自身の免疫が自らの身体を攻撃していますので、免疫抑制剤も投与されます。
炎症が治まると、症状にあわせた長期服用のための薬が処方されます。薬の長期服用による副作用が懸念されますので、定期的に診察を受けながら、経過を見守ります。
病は気から
患者の方々が日常生活で特に気をつけている点は、紫外線を浴びない、ウィルスなどの感染に気をつける、寝不足にならない、ストレスを溜めない、疲労や過労を溜めない、とにかく無理しない、処方された薬は途中でやめない、などです。
この疾患は、数年あるいは数十年と長期化あるいは慢性化するため、それに伴い薬の服用も長期化します。
ですので、医師としっかり相談しながら、症状をコントロールし、体調に合わせて日常生活を送っていけますので、悪化させないことに重点を置いて治療に専念します。
これも、あれも、気をつけなきゃ!とストレスになってしまいそうですが、どの疾患でも、ストレスが一番の敵です。10代で発症して、ずっと疾患と付き合っている若い女性も沢山います。「病は気から」です。
医学的にも、疾患への精神的そして心理的な作用の重要性が指摘されています。
だからこそ、ときにはが「ハハハ」と笑って、周囲や家族の支えのもと、疾患をひとりで抱え込まないように前向きに向き合ってゆきたいです。
まとめ
周囲の支えと笑顔で乗り越えられる!全身性エリテマトーデス
発症誘因
診断
症状
治療
病は気から