1960年には平均で8時間15分程度あった日本人の睡眠時間が2010年には1時間程少なくなってしまったという統計調査があります。この睡眠時間は世界的に見ても少ないと言われています。その影響で近年睡眠不足症候群の方が増えてきています。
睡眠不足症候群 とはどのような睡眠障害なのでしょうか。
危険が潜む睡眠不足症候群から身を守る日常生活のコツ
睡眠不足症候群の症状とは
睡眠不足症候群の最もわかりやすい症状は日中の眠気だと言われています。昼食後の午後2時頃に眠くなるといった生理現象以上の病的な眠気を感じるようであれば、睡眠不足症候群の可能性を考えてみてもいいかもしれません。
3ヶ月以上継続して日中の強い眠気に悩まされ、休日には平日より2時間以上睡眠時間をとっている方で他の病気や薬の影響ではない場合は睡眠不足症候群である可能性が非常に高くなります。
不思議なことに睡眠不足症候群の方はご自分の睡眠不足を自覚していない場合が多いようです。
ただし、睡眠不足で体も脳も十分な休息がとれていませんので、イライラするとか集中力が低下するなど精神的な症状や胃腸の具合が悪くなるなど肉体的な症状が出てくる場合があります。
睡眠不足症候群を疑ったら
睡眠不足症候群の可能性がある方にはまず、睡眠日記をつけてみることをお勧めいたします。就寝時刻と起床時刻の大まかな記録をつけることで睡眠のパターンがわかってきます。
その中で、休日に平日より2時間以上の睡眠時間をとっている場合は知らず知らずのうちに日常的な睡眠不足を解消しようとしていると考えられ、睡眠不足症候群の可能性が出てきます。
睡眠外来などを受診するような場合にこのような睡眠の記録の1か月程度分を持参すると診断の助けになることでしょう。
睡眠不足症候群のここが危険
まず、集中力が低下して仕事や家事の能率が悪くなってしまいます。慢性的な睡眠不足は内臓にも悪影響を及ぼしますので消化器官も弱ってしまい、食欲が低下してしまうので肉体的な健康を保つための栄養を摂取することができなくなってしまいます。
また、やる気が出ないとかやろうとしても何もできない無気力状態になってしまうことさえあります。そのようなことが長引くと鬱病の発症につながる可能性も出てきます。
睡眠は心拍数に影響をあたえますので、睡眠不足が続くと心拍数が上がり高血圧になってしまいます。一般に睡眠不足による高血圧は夜間と早朝に血圧が高くなるとされていますが、夜間早朝の高血圧はとりわけ心筋梗塞や脳卒中のリスクを高くすると言われています。
Ⅱ型糖尿病と分類されている糖尿病では睡眠不足が血糖値を上昇させている因子になっていることがわかっています。健康な方でも睡眠不足の際には血糖値が上がります。
慢性的な睡眠不足を解消するコツ
忙しい毎日を送る中では就寝時刻を一定に保つということはなかなか難しいことかもしれません。しかし、睡眠にとっては規則正しいということが大変重要になってきますので、できるだけ就床する時刻を一定にするように努力してみましょう。
カフェイン摂取は夕方まで、できるだけ食事や飲酒も就床の3時間前までに済ませましょう。
就床1時間前にはパソコンやスマホなどの画面から強い光を浴びることを避けるようにしましょう。
就床1時間前までに入浴し、入浴後に短時間でも効果的ですのでストレッチをするなどして血流を促しましょう。
寝具の中でも枕は睡眠の質に大きく影響すると言われています。枕は直立した姿勢を保てるくらいの高さがよいとされています。あごが上がり過ぎても下がり過ぎても不適切です。
首と敷布団の間を首を不自然に曲げないでいられるように埋めることができるものがよいとされています。
仮眠をとる場合には横にならず、上半身を立てた状態で20分以内をめどに休むと非常に効果的だと言われています。
まとめ
危険が潜む睡眠不足症候群から身を守る日常生活のコツ
睡眠不足症候群の症状とは
睡眠不足症候群を疑ったら
睡眠不足症候群のここが危険
慢性液な睡眠不足を解消するコツ