子宮体がんの生存率をあらためて確認することで、早期発見がどれほど大切なのか、そしてどれほどまでに生存率を左右するのか、ご理解いただけるはずです。怖がることはありません。
子宮体がんは進行がとても遅く、そして早期発見が可能な特徴を持っています。ここでは、ステージも含めて 子宮体がん の 生存率 を検証します。
早期発見が確実に生存率を左右する 子宮体がん
子宮体がんのステージ
ステージとは、がんの進行具合を示すものさしです。ステージは、腫瘍の大きさ、広がり、浸潤、転移、遠隔などから判断されます。その後の生存率、再発率、そして治療方針に大きく関わってきますので、大切な基準になります。
子宮体がんのステージは大きく分けて4つ。第1期は、がんが子宮体部に限局している段階。早期子宮体がんとされているのは第1期のみです。
第2期は、がんが頸部間質に浸潤しているものの子宮外へ出ていない段階。
第3期は、がんが子宮外に広がっているものの小骨盤を越えていない段階、あるいはすでにリンパ節へ広がっている段階。
第4期は、がんが小骨盤腔を越えている、あるいは膀胱や腸粘膜へがんが浸潤している段階(遠隔転移している状態)。
子宮体がん生存率
早期段階での治療が重要であることは、子宮体がんに限らず他の部位のがんでも同様のことがいえます。がんの治療成績の指標といわれているのが、生存率です。
生存率は、目安が5年間とされていて、その間に再発しないということではなく、あくまでも治療開始からどのような状態でも生存している割合の平均値です。治療開始後に5年間がんの再発がなければ、治癒とみなされます。
がんのステージ、治療内容、患者の年齢、合併症(がん以外の持病なども含)なども換算され、算出されます。あくまでも平均的な数値ですので、すべての患者の方に該当するわけではありません。生存率に関係なく予後が順調で、長く生存する方もおられます。
5年間の生存率を挙げますと、ステージ第1期で87%、第2期で76%。第3期で51%、第4期で19%です。このように、ステージによって、かなりの差があることが理解できます。
治療の基本は手術
子宮体がんの治療の基本は手術です。根本のがんを摘出することが肝心だからです。進行状態や広がり方も考慮に入れ、手術にプラスとして、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)、そしてホルモン療法が組み合わされます。
子宮を残すことができるのは、早期段階で発見された場合、そして黄体ホルモンの成長が抑制される性質をもつがんである場合のみです。
第1、2、3期では、子宮全摘術、卵巣と卵管切除、リンパ節切除によって腫瘍が取り除かれ、術後に化学療法(抗がん剤治療)と放射線治療が実施されます。
第4段階では、主に化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法になります。
早期発見が確実に生存率を左右します
子宮体がんの初期症状を見逃してはいけません。特徴的な症状は不正出血です。好発年齢は閉経前後の50代です。
不正出血がみられる段階はまだ早期の状態ですので、ステージは第1期にあたります。第1期の生存率は約90%と高い数値を示していますので、治癒率も必然的に高くなることが理解できます。
また、がんの特徴として手術後に残っていたがんが成長し再発する場合もありますので、子宮体がんにおいても、早期がんの段階で手術を行って、根本となる腫瘍を確実に摘出することで高い生存率を保持します。
5年間で再発しないためにも、そして治癒のためにも、早期段階でみられる特徴的な症状、不正出血を絶対に見逃さないでください。閉経前後の年齢に限らず、すべての女性において、定期的に子宮がん(子宮体がん、子宮頸がんも両方)検診を受けることをお勧めいたします。
まとめ
早期発見が確実に生存率を左右する 子宮体がん
子宮体がんのステージ
子宮体がん生存率
治療の基本は手術
早期発見が確実に生存率を左右します