従来、日本人に多い子宮がんは子宮頚部に腫瘍ができる子宮頸がんが圧倒的に多かったのですが、近年は子宮の内部に腫瘍ができる子宮体がんの割合が増えてきています。子宮がん全体に占める子宮体がんの割合は、40年前と比べるとおよそ4倍も多くなっています。
子宮体がん が増えている 原因 は何なのでしょう?そこには40年前と現在のライフスタイルの変化が関係しているようです。
最近増えている子宮体がんの意外な原因
子宮体がんが発症するメカニズム
子宮体がんは別名を子宮内膜がんと言い、子宮内膜の増殖したものが「がん化」したものです。女性は月経の周期によってエストロゲンというホルモンを分泌させ子宮内膜を増殖させます。
本来、子宮内膜は受精卵が子宮内に着床しやすいようにする役割を果しているのですが、受精卵が来なければプロゲステロンという別のホルモンが分泌され、必要がなくなった子宮内膜を剥がし月経となって外に排出しています。
ところが何らかの理由でホルモンのバランスが崩れると、子宮内膜は排出される量が減り、増殖される量の方が多くなることがあります。こうなると子宮内には子宮内膜がどんどん溜まり身体に様々な不調をおこします。
子宮体がんが増えている理由
子宮体がんが増えているということは、体内のホルモンバランスが崩れている女性が増えていると言えます。ホルモンバランスは体調やストレスで崩れることもありますが、近年の女性のライフスタイルが大きく影響していると言えます。
初潮の低年齢化や出産しない女性が増えたことで、一生の間におとずれる生理の回数が増え、エストロゲンの影響を受ける期間が長くなっているためです。
妊娠中や授乳中はエストロゲンの分泌は抑えられます。一人の女性が3~5人の子どもを産むことが普通であった時代は、現代の女性より生理の回数はかなり少なかったため、子宮体がんの発症率は低かったのです。
また食生活が肉類や乳製品を多く摂る西洋型に変化したことも原因の一つと考えられています。脂質の多い食事で体脂肪が増え、肥満となることが多いためです。脂肪細胞はエストロゲンを作る働きをすると言われています。
特に閉経後はエストロゲンの働きを抑えるプロゲステロンがなくなり、子宮内にはエストロゲンが溜まりやすくなるため、子宮体がんが発症する確率高くなるため注意が必要です。
子宮体がんを予防しましょう
月経不良が慢性化している場合、子宮内にはエストゲンが溜まっている可能性が高くなり子宮体がんになりやすい環境となるばかりでなく、不妊症の原因ともなります。
若いうちは特に、生活に支障があるわけではないので、そのままにしておくことが多いのですが、早めに病院へ行って相談してみましょう。病院では症状に併せて低用量ピルが処方され、生理の周期を整えます。
低用量ピルは避妊薬として開発されましたが、エストロゲンの分泌を抑える働きをするため、子宮体がんの予防にはとても効果があります。月経の周期が整えば薬の服用は止めることができるので、将来妊娠することも可能なので安心して服用することができます。
また食生活を見直すことも大切です。肥満は多くの病気のリスクを高めるため、体重コントロールは必須です。特に子宮体がんの原因となるエストロゲンと脂肪細胞は密接な関係があるため注意しましょう。また食事は、日本人が本来食べていた和食中心を心掛けましょう。
そうすれば自然と脂質の多い食品が減り、身体を冷やさない食材を多く摂ることができます。子宮体がんは発症初期の段階で不正出血があるため、発見しやすいがんです。この段階で治療を始めることができればほとんどの場合、完治することができます。
40歳を過ぎたら子宮体がんになるリスクはどんどん高まっていきますので、年に一度は定期検診を受けましょう。
まとめ
最近増えている子宮体がんの意外な原因
子宮体がんが発症するメカニズム
子宮体がんが増えている理由
子宮体がんを予防しましょう