20歳以上の女性は、2年に1回の頻度で 子宮頸がん 検診 を受けることが推奨されています。子宮頸がんは予防できる癌です。早期発見、早期治療により一人でも多くの命が守られるよう、そして少しでも悲しみが減るよう努力していくことが重要です。
子宮頸がんは予防できる!
子宮頸がんの最近の動向
日本国内では年間約10,000人が子宮頸がんに罹患しており、年間約3,000人が子宮頸がんで命を落としています。
子宮頸がんの生存率については、子宮頸がんが原発臓器のみにある場合は約90%、隣接するリンパ節や臓器に転移や浸潤がある場合は約55%、遠隔リンパ節や臓器に転移や浸潤がある場合は8%です。
この数字を見ると、子宮頸がんから命を守るためには、早期発見、早期治療がとても重要であると容易に推測できます。
予防できる子宮頸がん
がんの種類は沢山あり、膵がんのように見つかった時には手遅れの場合がほとんどというがんもあります。しかし、子宮頸がんは違います。
子宮頸がんは子宮頚部の上皮細胞がヒトパピローマウイルス(主に16型・18型)に感染し続けることで正常な細胞からがん細胞へ変化していき子宮頸がんとなります。
この正常な細胞からがん細胞へと変化している途中、いわゆる異形成(前がん病変)の状態で発見することができれば、前がん病変の部分のみを取り除き、子宮を温存することができます。そのため、妊娠も出産も可能です。
しかし、前がん病変からがん細胞になり時間がたって子宮頚部以外にも広がってしまうと子宮全摘手術、卵巣卵管摘出、化学療法や放射線治療などが行われます。
子宮頚部の上皮細胞がHPVに感染してからがん細胞に変化するまでに約2年かかるといわれています。
よって、この2年間のうちに子宮頸がん検診を受診し、子宮頚部の細胞が前がん病変やがん細胞に変化していないかを確認し、前がん病変もしくはがん細胞が見つかった場合には医師の指示に従い適切な処置をしていくことが子宮頸がんの予防となります。
子宮頸がん検診はどのように受けるのか
子宮頸がん検診には婦人科などで受ける場合と夫または本人が所属している職場の健康保険組合による健康診断、地域の住民健診などがあります。実施時期に指定がある場合や費用も様々です。よって、受診時には医療機関や所属の健康保険組合、保健所などに電話やメールで日時・受診場所・費用・受診にあたり必要なものなどを確認してから受診します。
検査は細胞診が行われ、通常5分~10分ほどで終わります。子宮頚部の細胞を綿棒などで採取し前がん病変やがん細胞の有無を調べます。結果は2週間程度でわかります。
クラスⅠまたはⅡは正常または炎症性変化や感染症の場合で、今回の検査では子宮頸がんに関連する細胞は認められなかったということになります。クラスⅢa以上の場合は前がん病変もしくはがん細胞の存在が示唆されたことになりますので、医師の指示に従います。
子宮頸がん検診とワクチンとHPV検査の関係
子宮頸がんワクチンは主にHPV16型・18型の感染を予防します。しかし、ワクチンを打っていてもHPV16型・18型以外のHPVには感染しますし、現在のところワクチンの予防効果が確認されているのは6.4年でそれ以降については効果があるかどうかわかっていません。
よって、たとえワクチンを接種していたとしても検診を受けることが必要となります。次に検診はHPVに感染した細胞の変化(前がん病変およびがん細胞の存在)を確認します。検診で前がん病変やがん細胞が確認された場合は精査し、医師の指示に従います。
そして、HPV検査はHPVに感染しているかいないか、また感染していればその型は何かを検査しています。HPV検査で陽性であっても発がん性の強い型でなければ治療の対象にはなりにくく、たとえ16型・18型が陽性だったとしても正常な子宮頚部の細胞が前がん病変やがん細胞へと変化していなければ自然消退する可能性もあるため積極的な治療は行われない場合がほとんどです。
それから、検診やHPV検査で陰性だったとしてもそれは今回陰性だったというだけで、今後も頸がんにならないという保証にはなりません。よって、定期的な子宮頸がん検診の受診が大切なのです。
まとめ
子宮頸がんは予防できる!
子宮頸がんの最近の動向
予防できる子宮頸がん
子宮頸がん検診はどのように受けるのか
子宮頸がん検診とワクチンとHPV検査の関係