小さな命を授かり、我が子を抱くことができたときには、心から愛おしく感じることでしょう。しかし、その瞬間から母としてさまざまな問題に直面することになるのです。
そのうちの一つが、母乳に関する悩みです。乳腺に炎症がおこる 乳腺炎 によって、胸の痛みや寒気、 熱 を伴うこともあり、それは寝る暇もなく大変な育児の最中であっても関係なく発症してしまうのです。
赤ちゃんのための、乳腺炎によるしこりと熱の対処法
産後のママを悩ませる胸のしこりと痛み
出産後のママの体の中では、プロラクチンが活性化することにより血液から母乳がたくさん生成されます。そして、赤ちゃんが乳頭を吸うと同時に、それを助けるかのようにオキシトシンが母乳を外へ押し出しています。
このようなホルモンの働きによって、赤ちゃんが必要とする分の母乳を生成し、分泌する流れがスムーズにおこなわれていますが、母乳の生成と分泌がうまくいかなくなると乳腺炎をおこしてしまうことがあります。
乳腺炎には急性うっ滞乳腺炎と化膿性乳腺炎の2つのタイプがあり、急性うっ滞乳腺炎は乳菅が細くかったり赤ちゃんの授乳がうまくできていないときや卒乳や断乳などにより、生成された母乳が外にしっかり分泌されずに乳腺に溜まってしまったときにおこりやすくなります。
症状としては、乳房が赤くなり、しこりができて触ると痛みを伴い微熱が出ることもあります。
化膿性乳腺炎は、うっ滞乳腺炎が悪化したり、乳頭にできた傷から赤ちゃんの口内細菌などが侵入することにより乳腺に炎症をおこします。
乳房にしこりができたり腫れて激しく痛み、血液の混ざった母乳や膿が出ることもあります。さらに悪寒を伴う高熱もみられ、酷い場合は入院治療を要することもあります。
しこりを治す方法
乳腺炎によるしこりができている場合、熱などの症状がみられなくても、ある日突然悪化してしまうことがあります。そのため、しこりに気づいたら早めに対処しなくてはなりません。
まずは、赤ちゃんにたくさん母乳を飲んでもらいます。赤ちゃんは、乳頭を加えた時の鼻の方向にある乳腺を吸っています。そのため、赤ちゃんの鼻がしこりの方を向いた状態でしこりの部分の母乳を押し出すように押さえながら授乳します。
また、乳房が熱を持ってきた場合は、冷たいタオルなどで全体的に冷やすことにより痛みを和らげることができます。しかし、アイスノンなどで直接冷やしすぎないよう注意することが大切です。
しこりに滞った母乳が流れるよう乳頭に向かって揉みほぐすマッサージや搾乳をおこなうことも効果があります。母乳の流れが悪くなる原因として血行の流れも関係していると考えられているため、肩こりを解消したり体を温めて冷えを解消することも良いといわれています。
熱がある時にしてはいけないこと
熱がなく、痛みも軽度の乳腺炎の場合は、マッサージや体を温めて血行を促すことがしこりの対処として効果があります。しかし、これらの対処法は熱を伴う場合は絶対におこなってはいけません。
発熱は既に炎症がおきている証拠です。そこにマッサージなどの刺激が加わると炎症を悪化させてしまいます。
また、体が温まると血行が良くなり母乳の生成が促されます。乳腺が詰まってパンパンになっているところに、さらに母乳がつくられてしまうと、余計に症状を悪化させてしまいます。
同じように、糖分の多いものや炭酸飲料、乳製品も詰まりの原因になるため摂取を避けなくてはなりません。
赤ちゃんと母乳に優しい良い生活
乳腺炎をおこしている場合の一番の対処法は、赤ちゃんにたくさん母乳を飲んでもらうことですが、炎症をおこしていると母乳が美味しくなかったり、母乳の出が悪いことから赤ちゃんが飲むのを嫌がることがあります。
そのような場合は、赤ちゃんが眠そうにしているときを狙って炎症をおこしている方の母乳を与えることにより、起きているときよりも飲んでくれます。
しかし、乳腺炎になることなく、赤ちゃんに美味しくて栄養のある母乳与えたいママがほとんどだと思います。
胸を締め付けるような下着は乳腺を圧迫して詰まりやすくします。脂質や糖分の多いおやつや食事も詰まりや美味しくない母乳の原因になります。
その他、ストレスや疲れが溜まると、血液は滞りやすくドロドロとした状態になります。その血液が母乳になるため、育児のストレスや疲れを軽減することも必要です。
最近は育児の便利グッズが多く紹介されています。これらを使うことは決して手抜きではなく、ママや赤ちゃん、そして母乳のためでもあるのです。心も体も穏やかな状態で、今しかできない育児を楽しめるよう、良い生活を心掛けましょう。
まとめ
赤ちゃんのための、乳腺炎によるしこりと熱の対処法
産後のママを悩ませる胸のしこりと痛み
しこりを治す方法
熱がある時にしてはいけないこと
母乳に優しい良い生活