女性の罹患する癌のトップは乳癌で、女性の14人に1人が罹ると言われています。もし、その 乳癌 を毎日の 食事 で予防することができるとしたら、すばらしいことではないでしょうか。
どのような食事が乳癌の予防に効果的なのか、乳癌の原因から考えられるその理由とともにご紹介します。
乳癌を食事で予防することができるとしたら
乳癌の原因
乳癌の原因としてよくとりあげられるのは、生活習慣や遺伝、女性ホルモン、食事などです。
中でも食事は生活習慣の大きな部分を占める問題ですし、女性ホルモンについても食事は多大な影響力を持っています。乳癌の原因を考えるにあたって食事が重要視されるのはこのような理由からです。
乳癌の発症にはエストロゲンという女性ホルモンが関与しています。エストロゲンは乳腺の組織を刺激して、その細胞の増殖させます。細胞が増殖する際には乳房に限らず遺伝子が傷つく原因となることがあります。傷ついた遺伝子が変異することで癌が発症するのです。
女性の生理はこのエストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンによって引き起こされていることはご存知かもしれません。栄養状態が格段によくなった現代の女性は初潮が早まり、閉経が遅くなってエストロゲンにさらされる期間が長くなってきています。
また、妊娠と出産、それに引き続く授乳の期間は生理は止まりますが、昔に比べるとその期間は格段に少なくなってきています。
妊娠するとプロゲステロンが優位な状態になりますので、エストロゲンによる影響が少なくなるのです。出産未経験者や授乳未経験者に乳癌が多いと言われるのはこういう理由によるのです。
女性ホルモンと食事
よく言われるのは食生活の欧米化により、動物性脂肪を多く摂取するようになったことが成長を早くして初潮を早め、栄養状態がよい状態が続くことで閉経が遅くなっているということです。動物性脂肪を多く含む食品はコレステロールを多く含む食品と考えていいでしょう。
高カロリー・高コレステロールの食事は同時に肥満をもたらします。肥満と乳癌の発症の相関関係はまだ明らかになっていませんが、脂肪にはエストロゲンを合成する酵素が存在します。閉経後の乳癌発症には肥満が関係していると考えられています。
日本では禁止されているホルモン剤ですが、アメリカでは牛の飼育にエストロゲンを使用しています。その残留濃度は和牛に比べて、赤身で600倍・脂肪で140倍というデータがあります。
2006年にハーバード・メディカルスクールから牛の赤身を大量に食べると乳癌の発症率が上がるのは残留ホルモン剤の影響ではないかという趣旨の発表がされています。
近年、動物性脂肪を多く含む乳製品がエストロゲンの合成に関与しているのではという考え方が一般に広まっているようです。日本乳癌学会は世界がん研究基金や米国がん研究協会など世界の研究結果を紹介していますが、それによると乳製品はあまり関係ないとされています。
どんな食事が乳癌を予防するのか
食生活の欧米化の対極にあるのは和食です。ごはんに味噌汁、魚介中心で野菜たっぷりのおかず、そしてデザートには和菓子といったところでしょうか。
とりわけ摂取したいものは大豆です。大豆に含まれるイソフラボンは植物エストロゲンとも呼ばれ、エストロゲンに拮抗する働きをしてくれます。味噌・納豆・豆腐など形を変えて上手に大豆を摂取してきた日本人は欧米人に比べて乳癌の罹患が少ないのではないかと言われています。
昨今では豆乳という形で取り入れている方も多いのではないでしょうか。
コレステロールを下げたり、肥満を防止するには食物繊維の摂取が有効です。食物繊維は胆汁酸のコレステロールだけでなく、食品の成分中のコレステロールを吸着して排出するという優れた性質があります。とりわけ穀物由来の食物繊維がいいようです。
脂肪やたんぱく質を肉類からではなく魚介類から摂ることはかなり重要です。EPAやDHAという魚の油に多く含まれる成分は乳癌の予防に役立つとされています。また、乳癌だけにとどまらず、えごま油・亜麻仁油などは癌の予防に有効です。
野菜中心の食生活はアメリカ国立癌研究所の研究でも推奨されています。特に癌予防に有効な野菜として、キャベツ・玉ねぎ・トマト・ナス・ピーマン・ブロッコリー・カリフラワー・芽キャベツ・ネギなどがあげられています。
果物では柑橘類が推奨されています。柑橘類には発癌抑制物質が多く含まれていると考えられています。ゆずにはdリモネン・リモノイド・へスぺリジンという癌抑制にかかわるすべての成分が含まれていることがわかってきました。国産の果物だけに上手に取り入れていきたいものです。
まとめ
乳癌を食事で予防することができるとしたら
乳癌の原因
女性ホルモンと食事
どんな食事が乳癌を予防するのか