日本でも乳がんになる女性が増えているといわれています。ガンといえば早期発見、早期治療。その為にも日ごろからセルフチェックを習慣にすることが大切です。その中でも 乳がん の しこり は実際どこに出来るのか、どの部位がより危険なのかも知っておいた方が良いです。
乳がんのしこりは実際どこに出来るのか
乳がんとは
乳がんとは文字通り乳房およびその周辺に発生するガンです。このガンはしこりとして自分で認識することも可能です。乳ガンの大半は、小葉ガンと乳管ガンに分けられます。
乳汁を分泌する乳腺小葉上皮が悪性化したものを小葉ガン、乳管の上皮が悪性化したものを乳管ガンと覚えると覚えやすいと思います。
更に小葉内、乳管内に留まる非浸潤性のガンと血液やリンパ管に浸潤する浸潤性のガンがあります。非浸潤性のガンは悪性度が低いですが、浸潤性のガンは血管やリンパ管を通り、脳を含む重要な臓器に転移する可能性が高いです。
幸い、特に初期では比較的進行が遅いガンとして知られているので日ごろの注意が早期発見、早期治療につながります。
他にパジェット病といわれる乳頭周辺がただれる予後良好のガン、炎症性乳がんという乳房全体が腫れ、全身に転移する極めて悪性度の高いものも僅かですがあります。
乳がんを早期に発見するためにどこを調べるべきか
自治体では40歳以上の女性に無料にてマンモグラフィーによる検査をする制度があるので、これを活用するのも良いですが乳房にハリのあるタイプの場合、撮影時に乳房を挟むので痛みを感じます。また、検出感度も柔らかいタイプの方と比べると多少落ちます。
最も推奨されるのは特別な機械を用いず毎日でも可能なセルフチェックです。乳房をゆっくり押すようになぞっていくとしこりのようなものが見つかる場合があります。しこりには2種類あり、押すとコリコリと動くもの、石のように固く動かないものです。
動くしこりは大半が良性で、経過観察で十分な場合が大半です。石のように固いしこりは要注意です。既に周辺組織との癒着があると考えられます。その為にしこりが動かないのです。他にも乳頭からの分泌物がないことも確認すると前述のパジェット病や炎症性乳がんのチェックにもなります。
さて、しこりのできる場所の実に75%が乳頭より上、乳房の上部に出来るといわれています。外側と内側ではあまり差はなく外側が45~50%、内側が45%といわれています。また、乳頭直下で10~12%、乳頭より下外側10%、内側5%といわれています。
注意したいのはワキの下にしこりが出来ることもあるということです。乳房の豊かな方は奥の方にあるしこりを自分で発見しにくい場合があります。そして少し進行してワキにしこりが出来て初めて分かる場合があります。更に、ワキにはリンパ節があるので転移の可能性が疑われます。
しかし、この状態でステージ2という5年生存率が90%以上、10年生存率も80%近くある早期にあたるので早めに処置をすればするほど生存の可能性が高くなります。
検査の頻度
セルフチェックは手軽ですので月に1度くらい行えば進行の早い若い方でも早期発見につながります。家系に乳がん患者がいる方は週に1回、月に2回くらいの高頻度でチェックしても良いです。
マンモグラフィーはX線を使用するので年に1度検査すれば良いですが、自己診断でしこりや乳頭からの組織液の分泌が見られた場合は可能な限り早く婦人科を受診し、医師の診断を受けてください。
病院での乳がん検査
病院でも先ずは触診をされますが、詳しく調べるために超音波やマンモグラフィー(乳房x線撮影)を用いて画像診断を行います。マンモグラフィーは50代以上の方の方がより効果的に乳がんを発見することができるといわれています。
マンモグラフィーの結果、乳がんの疑いが濃厚になると、細胞診などの顕微鏡的検査を行います。細胞診といってもメスで乳房を切り取るようなことはなく、注射針をしこりの部分に刺し、細胞を注射器内に取り込み、それをプレパラートの上に乗せ顕微鏡下で細胞が悪性か良性かを調べます。
この検査によってガンかどうかが確定し、治療方針について医師との話し合いが始まります。
まとめ
乳がんのしこりは実際どこに出来るのか
乳がんとは
乳がんを早期に発見するためにどこを調べるべきか
検査の頻度
病院での乳がん検査