「女性の更年期障害の症状とは(前編)」では、女性の更年期障害は何故おきるのか、そしてどのような状態をしめすのかご紹介しました。
後編では、 女性 の 更年期障害 の代表的な 症状 をご紹介します。
更年期障害の場合、地域の婦人科で治療を受けることができます。ご自分にあった医療機関を受診しましょう。
女性の更年期障害の症状とは(後編)
全身症状
更年期でよくみられる症状としては、ホットフラッシュというものがあります。精神的に動揺したわけでもなく、運動をしたわけでもないのに急に顔がほてったり、のぼせたり、大量の汗をかくような状態のことです。
他には、動悸・めまい・耳鳴り・体のだるさ・疲れやすい・頭痛・冷えなど全身にわたる不快な症状が現れます。
運動機能系
肩こり・腰痛・手足のしびれなどの運動機能にも症状が出ます。これは、エストロゲンの減少により血液循環が悪化し、筋肉が固くなるからです。さらに年齢的にも首回り、腰回りの筋力の低下も加わり、さらに悪化しやすくなります。
ただし、ホットフラッシュのような全身状態の症状が見られず、肩こり、腰痛がひどくなる場合には他の原因が考えられます。
生殖機能系
生理不順(周期の乱れ)、不正出血など女性特有の症状もあります。この不正出血ですが、生理が不順になるため出血しても生理なのか不正出血なのか判断がつかない場合があります。
1週間以上の出血や出血が止まらない場合には、子宮がんなどの疾病も考えられます。この場合は、医療機関へすぐに受診しましょう。どちらなのか分からず、不安を感じた場合にも医療機関への受診しましょう。
自立神経系
更年期の症状でホットフラッシュ以外によく聞くのは、この自立神経系の症状ではないでしょうか。
イライラし、神経質になり、不安感が増大し、もしかしてうつ病なのではないかと思ってしまう。睡眠もうまく取れず、日々の生活への意欲が低下してしまう。逆に眠すぎて、何も出来ないということもあります。
更年期の症状として現れているものなのか、うつ病の症状なのか判断は非常に難しいです。悩んだら、まずは医療機関へ相談しましょう。
更年期高血圧
エストロゲンの減少により自立神経の乱れが起こり、今まで低血圧であった人でも更年期に高血圧になることがあります。
そして、更年期症状である睡眠障害やイライラ、不安感などで血圧が一時的に高くなるなど、日中の血圧変動が見受けられます。更年期は、高脂血症・高血糖・肥満などによる動脈硬化が進む年代でもあります。
これにより心筋梗塞や狭心症などの発生率も高くなりますので、注意しましょう。
医療機関への受診
更年期障害の場合、地域の婦人科(診療所・レディースクリニックや中核病院など)で治療を受けることができます。医療機関によっては、更年期外来という専門外来を設けているところもあります。ご自分にあった医療機関で受診をしましょう。
更年期による症状なのか、そうでないのか判断が難しい場合は、まず地域の婦人科に受診してみましょう。相談の結果、内科(一般内科、循環器など)、整形外科など他科を紹介してくれる場合もあるでしょう。
一番大事なことは、一人で悩まず、話をよく聴いてもらえる医師へ相談をし、治療をしていくことです。
更年期の症状は本人からすると、非常に不快であり、日常生活を脅かすものです。しかし、周囲からすると“何を怠けているのか”“小言が多くてムカつく”“八つ当たりしないで”など、ケンカの種になることが多いでしょう。
この相互のギャップを埋められると、もっと更年期が楽に過ごせるのではないでしょうか。ぜひ、更年期の症状とご自分の状態を周囲にカミングアウトしてみましょう。周囲の理解を得られれば、ストレスも半減しますよ。
まとめ
女性の更年期障害の症状とは(後編)
全身症状
運動機能系
生殖機能系
自立神経系
更年期高血圧
医療機関への受診