仕事や子育てに追われ、嵐のように過ぎた30代。ようやく自分の時間が持てるようになったと思ったら、なんとなく体調がいつも悪い…。昨日は頭痛がひどいく、今日は倦怠感がある。それに最近眠りも浅くて疲れが取れない。
それは、もしかすると 更年期障害 かも知れません。
これって更年期障害!?その症状や検査、治療を知りたい!
更年期障害の症状とは
一般的に更年期といわれる時期は45歳~55歳くらいまでの年齢です。閉経が訪れる平均年齢は51歳といわれ、その前後が更年期にあたります。
主な症状としてはホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、発汗、冷え性、睡眠障害、動悸、微熱、頭痛、めまい、耳鳴り、また食欲減退、吐き気、下痢、便秘、知覚過敏、かゆみ、口の渇き、疲労感といったものがあります。
運動器官では肩こり、関節痛、腰痛、筋肉痛などがあり、メンタルでは憂鬱、精神の不安定、記憶力の減退、意欲の低下といった症状が見られます。
加齢に伴い卵巣の機能が低下すると、卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」の量が減少します。エストロゲンの分泌は脳の視床下部にある下垂体がコントロールしています。
更年期に入ってくると脳は卵巣にエストロゲンを出すように命令しますが、卵巣がエストロゲンを出せなくなってしまっているので、脳が混乱してしまいます。
それが視床下部でコントロールしている自律神経にも影響が伝わり、体調不良の原因となるのです。
エストロゲンとは、女性の身体に最も深く関わるホルモンであり、月経や排卵を起こし、妊娠する機能を維持し、脳や関節、骨、皮膚、粘膜の働き、自律神経、感情をコントロールすることにも関わっています。エストロゲンは女性にとって、とても重要なものなのです。
検査と診断
まずは血液ホルモン検査でエストロゲンの値を調べます。但し一度の検査では、エストロゲンの値が正常な場合もあるので、時間をおいて何回か検査する必要があります。これより、卵巣の状態や閉経、更年期障害のことが分かるのです。
またクッパーマン更年期指数や簡略更年期指数など、患者さん自身が自分の状態をチェックする診断方法もあります。
年齢だけを見て安易に「更年期障害」に結び付けてしまうのはいけません。内科的疾患や整形疾患、脳神経外科疾患、耳鼻科的疾患を疑い、検査を受けることも大切です。
更年期障害の治療
更年期障害の治療には、主にエストロゲンによるホルモン補充療法や、プラセンタ療法、漢方薬の服用が挙げられます。
5年以上の間、ホルモン補充療法を行なっている場合は乳がん発症のリスクが高くなるといわれています。そのリスクに対し、定期的な健診や検査でフォローしなくてはなりません。
プラセンタとは胎盤のことです。出産後に回収し洗浄、殺菌、酵素分解をして作られたものがプラセンタ製剤です。プラセンタはホルモンや自律神経を調整する作用があり、副作用が少ないといわれています。
週1~2回の注射で3ヶ月以上継続して行なうのが一般的です。但し保険適用外の医療機関もあるので事前に確認しましょう。
また漢方薬では加味逍遥散、桂枝茯苓丸料、当帰芍薬散料、温清飲、半夏厚朴湯などが更年期障害の諸症状に効果があるといわれています。
更年期障害は治る
更年期障害は卵巣の働きが変動している時期が過ぎ、機能が全て衰えて、その変化に身体が慣れれば次第に良くなると考えられています。
しかし女性としての機能が衰えることは、強い喪失感を感じる女性も多いものです。周りの人の理解や協力が大切な支えとなります。辛い時は一人で抱え込まず、きちんと自分の状況を話して助けてもらいましょう。
まずは更年期障害を正しく理解することが大切です。そして出来るだけポジティブに向き合いましょう。友達や知人と接し、趣味を見つけ、自分の時間を大切にすることにより更年期を楽しく乗り越える生き方になるのかも知れません。
まとめ
これって更年期障害!?その症状や検査、治療を知りたい!
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更年期障害の治療
更年期障害は治る