口内炎 は老若男女を問わず、誰でも一度は経験したことのある病気ではないでしょうか。それだけにさまざまな 治し方 があるようです。また、同じ治療法でも効果のある人とない人があるのはなぜなのでしょう。
塩 を使うという驚きの治療法もあるようですが、その効果はどうでしょうか。
口内炎の治し方として塩を使うって本当ですか?
口内炎の原因
最も目にする機会が多いのは「アフタ性口内炎」です。原因はこれだと特定できないもののストレスや疲労による免疫力の低下、睡眠やビタミンBの不足などが考えられています。
唇の内側やほほの内側、舌や歯茎などにできます。1センチくらいまでの大きさで、2~3個同時にできるようなこともあります。普通、10~14日くらいで自然に治ります。
単純ヘルペスウイルスに感染しておこる「ヘルペス性口内炎」やカビの一種のカンジタ菌が原因の「カンジタ性口内炎」などウイルスや菌が原因の口内炎もあります。ウイルス性の口内炎は多くは多発性で熱が出たり、強い痛みを伴ったりすることがあります。
頬の内側を噛んでしまったり、入れ歯が接触したりする物理的な刺激でおこるのは「カタル性口内炎」です。アフタ性の口内炎が境界がはっきりしているのに対して、境界が不明瞭で熱感があります。また、食べ物の味がわかりにくくなることもあるようです。
稀には、金属や食物がアレルゲンとなって「アレルギー性口内炎」を引き起こしたり、喫煙による「ニコチン性口内炎」という場合もあります。
口内炎の治し方
炎症を最小限にとどめるためには、まずは徹底的にうがいをするのがいいようです。イソジンなどの殺菌成分の入ったうがい薬や洗口剤はドラッグストアなどで簡単に手に入れることができます。
塗り薬のお世話になる方も多いと思います。ケナログ軟膏やアフタゾロン軟膏はステロイド系のものです。非ステロイド系にはトラフル軟膏などがあります。
また、直接患部に貼るタイプには口内炎パッチ大正A・トラフルダイレクト・アフタッチなどがあります。これらはいずれも患部を保護して刺激や細菌からガードするという働きをするものです。
原因を根本的に取り除くというものではありませんが、ガードされることで、痛みが和らぐ効果が得られます。
一刻も早くなんとかしたいという方には歯科医院でレーザー照射を受けるというのも選択肢のひとつです。粘膜を凝固させる方法です。この炭酸ガスレーザーは保険外診療ですし、歯科医院のすべてが備えているわけではありません。
治し方の注意点
口内炎の予防にも治療にも口の中の細菌の繁殖を抑えるうがいは有効です。特に、塗り薬を使用する前に殺菌成分の入ったうがい薬や洗口剤を使ってうがいをすることが推奨されています。
ただし、傷がある場合には殺菌成分が傷の修復を遅らせるということがありますので、最後に水でうがいをするようにするといいでしょう。
塗り薬は痛みを和らげますので、痛くて食事もままならないようなときに有用です。しかし、細菌の繁殖を抑える働きはないので、殺菌作用のあるうがいの後に塗布するという習慣をつけるようにすることが大切です。
口内炎の飲み薬はほとんどのものがビタミンB2の製剤です。ビタミンB2が不足して口内炎になるのは口内炎患者の10~20パーセントだと言われています。それ以外のさまざまな原因で口内炎を発症している場合には効果は期待できません。
口内炎から癌に進行することはありませんが、前癌状態や癌の初期状態を口内炎だと思い込んで放置するということがあるようです。2週間以上にわたって治らない場合は専門医の診断を仰ぐべきです。
口内炎に塩は効くか
民間療法のひとつとして塩をすりこむという荒業があります。これは食べたり飲んだりもできないほど痛い口内炎の患部に塩をすりこむのですから、かなりの痛さを伴います。
そして、劇的によくなって翌日から食事ができたという経験者もある一方で、すりこんだことで傷が悪化したという経験者もあります。
塩は物の腐敗を防ぐ力があることから、ある種の殺菌作用と粘膜の引き締め作用を期待されて、経験的に伝えられてきた民間療法なのでしょう。
口内炎の原因によっては、例えばウイルス性のものであれば効果は期待できないでしょう。また、すりこむ過程で傷つけてしまったり、雑菌を持ち込んでしまったりすれば、よくなるどころか悪化してしまうということも十分に考えられます。
このことは他の民間療法であるハチミツやハチミツ漬けのクチナシなどを塗る場合にも言えます。ハチミツの抗菌作用を期待しても塩を用いるのと同じように塗ることで患部を傷つけたり、雑菌を持ち込んだりすれば、元も子もありません。
まとめ
口内炎の治し方として塩を使うって本当ですか?
口内炎の原因
口内炎の治し方
治し方の注意点
口内炎に塩は効くか