人前で話をしたり初対面の方と会うときなどに、緊張のあまり、顔に大量の汗をかいた経験のある方は多いのではないでしょうか。
不安や緊張による精神性発汗は大なり小なり誰にでもあることですが、お化粧をすることの多い女性には気になるものです。 緊張 時の 顔 の 汗 についてご紹介いたします。
こんな対策もある緊張して顔にかく精神性発汗
精神性発汗とは
ご存知のようにヒトには体温を下げるために全身に汗をかく「温熱性発汗」と辛い物や酸っぱいものを食べたときに主に顔に汗をかく「味覚性発汗」と緊張や不安など精神的な原因で汗をかく「精神性発汗」の3通りの汗のかき方があります。
精神性発汗とは仕事でプレゼンテーションをしなくてはならないようなときに、「うまくできるだろうか」「途中で言葉に詰まってしまわないだろうか」などという心配のあまり、顔に大量の汗をかいてしまうことをさします。
つまり、精神的な影響で汗をかいてしまうことを精神性発汗と呼んでいるのです。
このような精神性発汗は誰にでもあることですが、発汗量は非常に個人差があります。性格的に几帳面で、いろいろ悩んでしまうタイプの方に精神性発汗の量が多い傾向があります。
精神性発汗のメカニズム
ヒトには緊張すると心拍数が上がり、血圧が上昇し、血管が収縮するなどの体の変化があります。この変化を脳の扁桃体という情動を司る部分が「不快」と判断します。
その結果、副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されてアドレナリンが分泌されます。
アドレナリンは恐怖のホルモンと呼ばれることがあることからもわかるように、交感神経が刺激されて、発汗することになります。アドレナリンが分泌されると体は興奮状態になるのです。
精神性発汗で困ること
肌には肌の健康を守るために常在菌が住んでいて、肌を弱酸性に保ち、雑菌が増えないようにしています。精神性発汗で大量に汗をかくと、汗と共に皮脂が分泌されるので雑菌が増え、肌を酸化させるため、かゆみが出ます。
人前で顔に汗をかいていることだけでも気になる上に、かゆみが出ると気をとられてしまい、集中力を欠いてしまうというようなことにもなりかねません。
顔や頭、背中には全身にあるエクリン腺が他の部位より多くなっています。エクリン腺から出る汗は酸性なので、肌のバリア機能も手伝って、顔に汗をかいても自然に弱酸性を保つようになっています。
ところが、精神性発汗によって大量の汗をかくと、汗から出る脂質や塩分で肌が乾燥するようになってきます。肌は乾燥に弱く、赤くなったり、痛くなったりします。
お化粧をすることの多い女性にとって、メイクが汗と日光によって混じってしまうことも、単に化粧崩れという問題だけではなく、肌の健康を損なう原因となってしまいます。
精神性多汗を防ぐには
精神性発汗は大なり小なり誰にでもあることだということは上述の通りですが、これが過剰になって大量の汗をかくようになると多汗症とか局所性多汗症とか呼ばれる病的な状態になってしまいます。
多汗症はストレスや緊張、不安などの精神的な問題が原因になっていますので、ストレスを溜めないようにすることが最も有効な対策になってきます。ストレスを発散して、リラックスすることができる自分なりの方法を編み出すことが大切です。
発汗の原因に味覚性発汗があることからわかるように、発汗は食生活にも影響を受けています。多汗症は食生活を見直して、刺激の大きいものを避けることでもある程度は改善できるような場合もあります。熱すぎるもの、辛すぎるものには要注意です。
多汗症対策として、制汗剤を利用するのもよいでしょう。昨今ではさまざまなタイプの制汗剤が市販されていますので、自分に合った制汗剤を選ぶようにしましょう。顔の汗対策には、制汗作用のある化粧下地なども出回っていますので活用するとよいでしょう。
多汗症という状態になると注射で交感神経をブロックして汗腺の働きを一時的に抑えたり、交感神経切除手術が施されたりすることもあります。
昨今では、星状神経節ブロック療法で自律神経の交感神経だけブロックしたり、イオントフォレーシス療法で汗腺からの汗の生成を抑制したりするような新しい治療を取り入れている医療機関も出てきました。
また、多汗症は精神的な問題が原因になっていることから、カウンセリングなどの精神療法も行われています。
多汗症の治療法は上述のようにたくさんの種類があります。自分の症状と、どの程度の制汗を望むのかをよく考えて、それぞれの治療のメリット・デメリットを見極める必要があります。
まとめ
こんな対策もある緊張して顔にかく精神性発汗
精神性発汗とは
精神性発汗のメカニズム
精神性発汗で困ること
精神性多汗を防ぐには