「漢方で冷え性改善と体質改善を(前編)」では、冷え性とはどういうものなのかご説明致しました。後編では、 冷え性 に効果的な 漢方 や漢方以外での冷え性対策についてご紹介致します。
漢方で冷え性改善と体質改善を(後編)
冷え性に効果的な漢方薬
漢方薬には、血の巡りを改善するものやむくみを伴う冷えに効果的なものなどさまざまな種類があります。どのような症状があるかによって処方される漢方薬はひとりひとり違ってきますので、しっかりと医師などと相談することが重要です。
まず、血の巡りが悪い人に向いている漢方薬に、当帰四逆加呉朱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)があります。これは、手足や下半身に冷えを感じる人に向いています。月経痛や下腹部痛、腰痛や頭痛などがあり怠くて辛い場合にも効果があります。
また、月経痛や月経不順など女性ホルモントラブルを抱え、虚弱体質である人には当帰芍薬散(とうきしょくやくさん)が向いています。
次に、むくみを伴った冷えに効果的な漢方薬に、五苓散(ごれいさん)があります。この漢方薬は利尿作用があり、むくみが強い人に向いています。この漢方薬は二日酔いの頭痛や吐き気にも効果があります。
次に、胃腸が弱くエネルギーが不足している人には六君子湯(りっくんしとう)が向いています。これは、胃腸の働きが弱く、鳩尾に支えた感じがあり、食欲がわかない人に向いており、手足に冷えを感じている人、すぐに全身に疲れを感じる人にも向いています。
胃腸に直接作用する漢方薬としては人参湯(にんじんとう)という漢方薬があり、元々虚弱体質である人や胃もたれがある人に向いています。
次に、ストレスが多く冷えを感じる人には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)があります。これは神経質で心身ともに疲れやすいタイプの人に向いています。気の巡りを改善しリラックスさせる効果があります。
漢方薬以外での改善策
東洋医学における冷え性に対する改善には漢方薬にのみ頼るのではなく、食事や基本的な生活習慣の見直しなども含まれます。具体的には半身浴を行って血の巡りを良くしたり、体を温める食材を摂ることがあげられます。
体をじっくり温める半身浴は発汗作用に優れ、全身の血行を良くするため、冷え性の人には効果的です。その際には頭の上から汗が自然と落ちてくるまで40℃以下の湯に最低でも20分以上浸かることが必要となり、途中でやめてしまっては効果がないので注意が必要です。
また、湯は熱くし過ぎず、出来るだけ頭上の換気を良くすることが大切です。体を温める食材には根菜類があり、人参、ゴボウ、しょうが、イモ類などがあげられます。これらの他にも適度な運動を行ったり、規則正しい睡眠を取ることなどが大切です。
たかが冷え性と思わずに
東洋医学における冷え性は万病の元とされ、冷え性はさまざまな病気の元にあるとされています。漢方薬での治療は冷えの改善だけでなく、体質の改善にも役立ちます。それぞれの体質に見合った漢方薬を処方してもらうためにも病院での診察をおすすめします。
まとめ
漢方で冷え性改善と体質改善を(後編)
冷え性に効果的な漢方薬
漢方薬以外での改善策
たかが冷え性と思わずに