エストロゲンはご存知のように女性ホルモンのひとつで、女性の卵巣で作られるために卵胞ホルモンとも呼ばれています。子宮や卵巣の働きを活発にするだけでなく、自律神経やコレステロールのバランスをよくしたり、骨量を保持したりするなどさまざまな働きをするホルモンです。
どのようにすれば エストロゲン を 増やす ことができるのかをご紹介いたします。
美と健康のホルモン、エストロゲンを増やすには
エストロゲンとは
卵胞からエストロゲンが分泌されるには卵巣の中で眠っている卵胞を十分に成長させなければなりません。まず、脳の視床下部から脳の下垂体を刺激するホルモンが分泌されると、下垂体から卵胞刺激ホルモンが分泌されます。
その卵巣刺激ホルモンに反応して卵巣の中の10~20の卵胞が成長を始めるのです。十分に発育した卵胞はエストロゲンを分泌し子宮内膜を厚くする働きをするようになります。
また、頸管粘液を分泌させて妊娠を促すような働きをするなどエストロゲンは妊娠になくてはならない女性ホルモンだと言うことができます。
エストロゲンにはその他にも自律神経やコレステロールのバランスをよくしたり、骨の形成を促進し、血管の収縮を抑制する働きがあることなどがよく知られています。
さらにエストロゲンは美のホルモンとも呼ばれていることからもわかるように、女性らしい丸みをおびた体を作るだけではなく、肌や髪質をよくする働きがあります。女性の美と健康にとって非常に大切なホルモンであると言えるでしょう。
エストロゲンが低下すると
エストロゲンは生理の終わりごろから分泌量が増えて排卵直前に最高潮に達します。これはエストロゲンに子宮内膜を厚くする働きがあるためだとされています。
また、妊娠中もプロゲステロンというもうひとつの女性ホルモンと共に分泌量を増やして子宮を大きくして妊娠を維持し、乳腺を発達させて母乳を作る準備をします。
このようにエストロゲンは妊娠・出産を支えるホルモンだと言えますので、低下することで生殖機能が低くなります。具体的には、月経不順・無月経・不妊などの原因となることがあります。
生理が近づくと肌荒れがするが、生理後にはよくなるという経験がある方は数多いと思いますが、これも生理周期によるエストロゲンの分泌量の変化による現象と言えるでしょう。
産後の肌荒れも出産後に急激に分泌量が減少するエストロゲンの影響でセロトニンなどの脳内神経物質の働きが弱まるためだとされています。
卵胞の成長に伴って分泌されるエストロゲンは卵胞が少なくなる40歳前後から分泌量が少なくなってしまいます。
いわゆる更年期障害の症状として、骨粗しょう症のリスクの増大、脂質の代謝異常による肥満、自律神経のバランスを崩すことによるイライラや物忘れなどさまざまなものがあげられます。
エストロゲンを増やすには
食生活では女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンの積極的な摂取がお勧めです。植物性エストロゲンは納豆・豆腐・味噌・厚揚げなどの大豆由来の食品の他、ザクロや山芋にも多く含まれています。
エストロゲンを作り出す卵巣を健康に保つには大根の葉やモロヘイヤ、カボチャ、アーモンドなどに多く含まれるビタミンEが非常に大切です。
また、エストロゲンの代謝に必要なビタミンB6はマグロの赤身・バナナ・ニンニクなどに多く含まれています。ビタミンB6は月経前症候群やつわりの軽減にも効果があるとされています。
睡眠不足になると卵巣の機能が低下するだけではなく、女性ホルモンの分泌を促す成長ホルモンが睡眠時に分泌されますので、質の良い睡眠をとることも大切になってきます。
また、冷えも卵巣機能を低下させます。着衣に工夫をするとともに温かい飲み物を摂るように心がけ、ゆっくり湯船に浸かって体を温めることも大切です。
エストロゲンの一部は脂肪細胞で作られます。過度なダイエットにより脂肪細胞が少なすぎてエストロゲンが生成されないという場合もあります。BMI22~23が日本人女性の平均と言われていますので適正体重を維持することが大切です。
エストロゲンは副腎でも作られます。過度なストレスは副腎の機能を低下させてしまいますので、ストレスを避けることも必要です。
40歳代以降で更年期障害の症状がある場合には専門医を受診してホルモン補充療法を受けるという選択肢もあります。昨今では漢方薬やサプリメントなどもたくさん出回ってきていますが、決して素人判断せずに専門医や薬剤師に相談することをお勧めいたします。
まとめ
美と健康のホルモン、エストロゲンを増やすには
エストロゲンとは
エストロゲンが低下すると
エストロゲンを増やすには