バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。血中の甲状腺ホルモン量が増えるため検査は血液検査が中心です。
バセドウ病 の様々な症状は更年期障害や自律神経失調症の症状との見分けが難しいですが、適切な治療が受けられれば普段と変わりなく過ごせるので、 検査 で早期発見に努めましょう。
バセドウ病はどのような検査でわかるのか
バセドウ病と検査の大切さ
バセドウ病は自己免疫疾患の1つで、30代を中心に青年期から壮年期にかけての女性に多い病気です。原因は未だ不明ですが、甲状腺を刺激する抗体がたくさんできてしまうため刺激された甲状腺が大量の甲状腺ホルモンを作り出します。
その結果、過労状態となった甲状腺が腫れ、血中の甲状腺ホルモン量が過剰となって、動悸や震え、体重減少、下痢、起床時のだるさ、体内リズムの乱れといった様々な症状を引き起こします。
また、有名な症状として眼球突出もありますが、あまり多くの人に見られる症状ではなく、甲状腺ホルモンの過剰度合いが強さとの関連もなく、どの様なメカニズムでこの症状が起るのか、はっきりとしたことはわかっていません。
バセドウ病の引き起こすこれらの症状は、更年期障害や自律神経失調症などでも引き起こされるものが多数混ざっています。
また、これらの症状のうち、どの症状がどのぐらいでるかは個人差もあるため、こういった症状に苦しみながらもバセドウ病と診断されず、適切な治療が受けられないまま辛い生活が続いてしまうことが多々あります。
典型的な症状が幾つも出ていると行ったケースを除いては、医師であっても触診や問診だけで診断することは難しく、様々な検査が必要になってきます。
どのような検査で判明するのか
バセドウ病の検査は血液検査を中心とし、甲状腺の状態や場合によっては心臓の状態なども調べた上で確定診断を行います。バセドウ病の検査に限らずですが、1つの検査で100%判明するものではないため、いくつかの検査を併用して行うことがほとんどです。
バセドウ病での血液検査
血液検査から調べる項目は2つで、1つは血中の甲状腺ホルモン量が通常時よりも過剰になっていないか、2つ目は甲状腺を刺激するTSH受容体抗体が通常時よりも少なくなっていないか、です。
先にも述べたように、血中の甲状腺ホルモン量過剰により様々な症状が起るため、その量を調べることが最も重要となります。また、治療もこの甲状腺ホルモンの血中濃度をコントロールするという方法で行います。
TSH受容体抗体は脳の下垂体から分泌される甲状腺を刺激するホルモンで、甲状腺ホルモン量が増えれば増えるほどフィードバックがかかり、TSH受容体抗体は少なくなるという関係にあります。
バセドウ病が発病している状態ではすでに甲状腺ホルモンが多量になり過ぎているため、TSH受容抗体の値は低くなっています。このTSH受容体抗体の検査は比較的簡単で、また、発病している場合には90%の人が陽性と出るので確度も高い検査方法です。
甲状腺の状態を調べる検査
血液検査の次に、やはり重要となるのは、甲状腺の状態を調べる検査です。この検査には主に2つの方法があり、1つは甲状腺の腫れを確認するための超音波調査、2つ目は甲状腺の活動を見る放射性ヨードによる検査です。
バセドウ病では甲状腺が過活動の状態にあるため、甲状腺が全体的に大きくなる形で腫れています。そこで、甲状腺の大きさや内部での血流、しこりの有無などを超音波検査によって調べます。
また、大量に甲状腺ホルモンを作っているため、材料となるヨードがたくさん摂取されます。
そこで、放射性ヨードを摂取してもらい、甲状腺にどれぐらい集まってくるかを確認します。甲状腺の腫れだけでは、他の甲状腺炎との区別が難しいことがありますが、ヨードがたくさん集まっていればバセドウ病と判断できます。
ただし、この検査を受ける時には、材料となるヨードがすでに甲状腺にたまっていると新たに入れた放射線ヨードが甲状腺に集まらないので、検査の前にはヨードを多く含む昆布やひじきといった海草類などの食品や薬剤の摂取を控える必要があります。
その他の検査
バセドウ病では甲状腺ホルモンが過剰となっている間、心臓に大きな負担をかけるため、動悸や不整脈、心不全などの合併症が起ることがままあります。
特に、高齢の患者の場合、長くバセドウ病が放置されていた場合には注意が必要です。そのため、検査の際には心電図をとったり、心臓が肥大していないかを検査したりすることがあります。
まとめ
バセドウ病はどの様な検査でわかるのか
バセドウ病と検査の大切さ
どの様な検査で判明するのか
バセドウ病での血液検査
甲状腺の状態を調べる検査
その他の検査