「うつ病のために休職する場合の診断書のもらい方(前編)」では、うつ病の特徴的な症状について、また病院の選び方についてご説明いたしました。後編では、 うつ病 の治療のため休職を念頭に置いている場合の 診断書 の もらい方 についてご説明いたします。
うつ病は身体的な検査ではなく、問診により診断が下されますので受診の際にはメモを持って行く、家族に同行してもらい症状を伝えてもらうなどの工夫が必要となります。
うつ病のために休職する場合の診断書のもらい方(後編)
- 目次 -
治療のためには休養が必要
診断書は、働いている方がうつ病と診断され、治療のための療養目的として、休職が必要だと判断された場合に出されます。そのため、症状が軽かったり、うつ病であると判断できない段階では書いてもらえないことがあります。
仕事が原因で症状があらわれている場合は、初診であっても診断書を書いてもらえる可能性はありますが、多くの病院では、初診時の症状から薬による治療を数週間おこない、薬の効果や症状の変化など総合的に診た結果からうつ病と診断します。
また、うつ病以外の病気を除外する必要がある場合は、いくつかの検査を要することがあります。
しかし、症状のために仕事がつらいと感じている方は、1日でも1週間でも長く感じてしまうでしょう。
そのため、初診時には仕事に支障が出ていること、仕事上の問題点やつらく感じている内容、有給などを利用しても休みがもらえないことなど、診断書が必要である状況をあらかじめ伝えておきましょう。
また、医師がうつ病であると診断しやすいよう、受診の際にはいつから、どのような症状が続いているのか、思いあたる原因などを細かく伝えます。
心療内科や精神科は、検査などよりも問診がメインになるため、比較的診察時間が長めにとってあるところが多いです。
しかし、それでも患者さん1人1人の診察時間は限られています。そのため、メモを用意したり、家族とともに受診して自分では気づいていない症状を伝えてもらうなど時間を有効に使うための準備をすることも大切です。
休養中の収入が心配
休職が決まったとしても、その間の収入が心配になり落ち着かない方もいるでしょう。実は、会社の保険に加入している方であれば、休職中の収入を保証してもらえる制度があります。
ひとつは傷病手当金です。これは、4日以上会社を休む必要がある場合、4日目から支給されます。支給額は、支給開始日より前の12ヵ月分の標準報酬月額を平均した金額を30日で割ったもののうち、2/3が支給されるものです。
次に受給できる可能性のあるものは、会社で加入している労働者災害補償保険です。一般的には労災と呼ばれるものであり、仕事上に原因があると認定された場合に支給されます。
労災はうつ病と診断されてから認定されるまでに半年から1年ほど期間がかかります。うつ病での労災認定は、4割程度といわれていますが、認定されると傷病手当金よりも受給額が多くなり、さらにうつ病に関する医療費が無料になるため、申請してみることをおすすめします。
注意しなければならない点としては、労災と傷病手当金は重複受給ができません。しかし、傷病手当金を受給していた期間に相当する金額が労災から支給されるため、そのまま傷病手当金を健康保険協会に返還できます。
その他、働けない期間が長くなり初診日から1年半が経過した場合には障害年金の申請をすることも可能です。このような制度があるため、安心して治療に専念できるのです。
まとめ
うつ病のために休職する場合の診断書のもらい方(後編)
治療のためには休養が必要
休養中の収入が心配