「症状があらわれてから、うつ病と診断されるまで(前編)」では、うつ病を疑った際は何科を受診すべきなのかお伝えしました。
後編では、病院ではどのようなことを聞き、どのようなことを伝えるべきなのかご説明いたします。 うつ病 を 診断 する上では、性格などのうつ病にかかりやすい素因があるかどうかは重要な内容となります。
症状があらわれてから、うつ病と診断されるまで(後編)
受診したら何を聞き、何を伝えるのか
受診する病院にもよりますが、まずは不快に感じる症状を伝えましょう。そして、いつから、どのような症状があるのか、そのきっかけとして思い当たることや環境の変化、既往や内服している薬の内容などを伝えます。
うつ病を疑って受診する場合は、その旨を伝えておくと、うつ病を視野に入れて診察してもらうことができます。
しかし、症状によっては本人が診断に必要な症状を正しく医師に伝えられないこともあります。そのような場合は、家族に付き添ってもらうと安心です。
家族は、本人の普段と変わった様子や日常生活を妨げている状況、本人が伝え忘れていることなどを伝えることにより、症状を把握しやすくなります。
また、医師には今後の治療内容と期間、休職の必要性、注意点などの説明を受け、しっかり理解することが大切です。
うつ病の治療は、医師と共に相談しながら進めていくことが、スムーズな治療と回復にとても重要です。そのため、積極的に治療に専念でき、信頼できる医師がいる医療機関を受診しましょう。
診断するために必要なこと
うつ病かどうかに関わらず、まずは症状から考えられる病気を診断するための検査が行われます。あらわれている症状の原因が、体の異常でないことを確認するため、体温測定、血圧測定、尿検査、血液検査など基本的な検査を行います。
大きな病院では、必要があればCTやMRIなどの画像検査や心電図検査などを行う場合もあります。その他、既往や内服している薬が原因になっていないかを判断するための問診などが行われます。
唯一、うつ病の診断に際して、他の診療科を受診したときにはあまり経験しない内容としては、今までの成育暦、家族のことや思考について詳しく聞かれる可能性があるということです。
うつ病を診断する上で、性格などのうつ病にかかりやすい素因があるかどうかは重要な内容になります。また、必要に応じて心理検査を行う場合もあります。このような検査や問診した結果を総合的に判断して、うつ病の診断をします。
病気に関すること以外に、自分のことを話すことに違和感を感じたり、不快に感じる方もいるかもしれませんが、どのような素因があるのかを知ることは治療方法を見極める参考になります。
また、問診から読み取れる性格や考え方を知った上で、長期的なうつ病の治療にとって大切なよい関係性づくりに役立てたり、その人らしさを考慮した治療をおこなうことにつながります。そのため、医師に対してゆっくりでもかまいませんので、少しずつつ心を開いていくようにしましょう。
まとめ
症状があらわれてから、うつ病と診断されるまで(後編)
受診したら何を聞き、何を伝えるのか
診断するために必要なこと