「うつ病と向き合いながら仕事探しをするための支援(前編)」では、うつ病という病気についてご説明いたしました。後編では、 うつ病 を抱えながらどのような 仕事探し ができるのか、また行政からどのような支援を受けることができるのかご説明いたします。
うつ病と向き合いながら仕事探しをするための支援(後編)
支援を受けながら仕事探し
うつ病と向き合いながら生活していくためには、収入面も重要です。そのため、職場と相談して所属部署の変更や勤務時間の調節など、できる範囲で働き続けられるよう環境を整えることも大切です。
しかし、職場環境や症状によっては休職や退職を考えなければならないこともあります。その場合、医療費や生活費の心配もストレスになりかねません。また、症状が落ち着き復職や再就職をしようと考えている方は、働くことへの不安もあることでしょう。
うつ病と向き合って生活する方に対し、心配や不安を軽減するための支援があります。うつ病の治療にかかる医療費は、自立支援医療制度を利用することにより、負担割合は原則1割負担で治療を受けることができ所得に応じて1ヶ月の負担額に上限が設けられます。
生活面の支援としては、勤務先で厚生年金に加入していた方であれば、傷病手当金を受給することができます。
さらに、うつ病の症状のために初めて受診した日から6ヶ月以上経過している場合、精神障害者保健福祉手帳の申請をすることができ、その等級によって支援を受けることができます。治療期間が長くなる場合は、初診日から1年6ヶ月経過してから障害年金の申請をすることも可能です。
このような支援を受けながら、そしてうつ病の治療を続けながら、働ける場所を探す支援もあります。就労継続支援事業では、障害があるため通常の仕事に就くことが難しい方へ、仕事の提供や仕事のために必要な知識や技術の支援をおこなっています。
また、精神障害者保健福祉手帳を受給している場合は、障害者雇用を利用して働きやすい職場をみつけることもできます。
うつ病は、症状が落ち着いてからも内服を続けたり症状を悪化させる要因を避けながら、長い期間の治療を要します。そのため、利用できる支援を活用しながら、うつ病への理解があり自分自身が働きやすい環境をみつけることが大切なのです。
自らの症状を理解し、受け入れること
うつ病を発症しやすい方の素因として、支援に頼ることに気が進まなかったり、うつ病と診断されたことによりさらに気分が落ち込んでしまうこともあり、自分自身の症状を受け入れ難い場合があります。
しかし、うつ病は早期に治療をはじめるほど回復が早まるといわれており、まずは自分の心と身体にあらわれている状況を受け入れ、治療をはじめることが必要です。
そして、症状に合わせて薬を調整しながら長期間うつ病と関わっていくためには、自らの症状を理解しその要因となるストレスを回避する力を身につけていかなければなりません。
もともと頼ることが苦手な方も多いですが、1人でうつ病と闘うことは難しいといわれています。家族や周囲の支援を大切にしながら、頼ることのできる自分へと変化していくことも、うつ病の治療をしていく上では大切なことなのです。
まとめ
うつ病と向き合いながら仕事探しをするための支援(後編)
支援を受けながら仕事探し
自らの症状を理解し、受け入れること