うつ病 を抱えながらでも、症状をうまくコントロールしながら生活のために、また自分や家族のために 仕事 をしている方は、意外と多くいます。
しかし、症状のあらわれ方は人それぞれです。仕事どころか身の回りのことすら今までどおりできない方もいます。そのような時、何を優先するべきなのでしょうか。
仕事を休む勇気がうつ病の早期回復につながる(前編)
多くの社会人が選択する治療法
うつ病の症状は、精神症状と身体症状の2つに分けることができます。その中でどのような症状があるのか、症状の度合いや生活への支障がどれほどあるのかは、人それぞれ多彩な症状をあらわします。
また、1日の間で症状に変動があり、特に朝は症状が強く夕方になるにつれて軽快していくのが特徴です。そのため、うつ病を抱えながら、朝、出勤するということはとても大変なのです。
専門機関でおこわれる治療は、主に薬物療法、休養、精神療法、環境の調整です。しかし、仕事をしている方にとって、職場環境を変えたり休養を取ることは容易ではなく、ほとんどの方が最初に薬物療法を選択します。
抗うつ薬をはじめ、症状によって安定剤や睡眠導入剤、非定型抗精神病薬などを併用します。薬効には差がありますが、すぐに効果があらわれるわけではなく、続けて服用することにより症状を安定させていきます。
周囲の理解が大切
治療をはじめても即効性がなく、しばらくは朝出勤することができなかったり体調不良が続くことがあります。通院のために仕事を休み、仕事への影響が出てしまうことも少なくありません。
それはもちろん病気による症状ですが、うつ病にかかりやすい方は責任感が強い傾向があるため、さらに自分を責めてしまうことになりかねません。また、女性の場合は、ホルモンバランスが崩れることによる症状が重なり、日常生活ですらままならない状態に陥ることもあります。
そのため、職場へは自分の病気の状況について説明し、理解してもらうことが大切です。また、職場環境や勤務の調整を依頼するなど、うつ病を抱えながらでも無理せず働くことができるよう相談することも必要です。
心と体を休ませる勇気も必要
治療のために使用する薬の副作用によっては、仕事を続けていくことが難しくなる場合もあります。しかし、仕事に支障が出るからといって内服を急に止めてしまうと、うつ病が悪化したり急性症状があらわれる危険があるため、医師に相談し弱い薬に変えてもらうなどの対処が必要です。
また、休養を取るために仕事に穴を開け、迷惑をかけてしまうという心苦しさを感じることもあると思います。しかし、自分では気付いていなくてもうつ病は仕事のストレスや職場の人間関係が原因であることも多く、一度仕事から離れてしっかりと心と体を休ませるために休職する勇気も必要です。
治療に専念した方が回復が早くなる可能性があるだけでなく、休職している間は自分自身について知る機会になり、今後、もし仕事中に症状があらわれたときの対処法や、仕事をしながらうつ病とうまく付き合う方法を身につけるきっかけになります。
療養する場所は、治療が続けられ穏やかに過ごせる場所であればとこでもよく、自宅で療養する方もいれば、入院して集中的に治療する方もいます。大切なのは、それまでの慌しい日常から離れ、心と体を休めることができる環境です。
まとめ
仕事を休む勇気がうつ病の早期回復につながる(前編)
多くの社会人が選択する治療法
周囲の理解が大切
休む勇気も必要