不妊症に悩まれている方のなかには、多嚢胞性卵巣症候群であるPCOSの患者さんがいます。 多嚢胞性卵巣症候群 の方に対して根本から体に負担をかけずに体質改善ができる効果があるものとして 漢方 での治療方法があります。ではその方法とはどのようなものなのかご説明します。
漢方で多嚢胞性卵巣症候群を治療する方法とは!
多嚢胞性卵巣症候群とは
多嚢胞性卵巣症候群というのは、多嚢胞性卵巣の症状が起こりやすい状態が続く病気です。
多嚢胞性卵巣は排卵が起こりにくい状態になることで、その理由としては卵巣の中に卵胞がたくさんできることにあります。そして卵胞がある程度の大きさになるとその卵胞の成長が止まってしまうために排卵が起こりにくい状態になるのです。
というのも卵細胞は、通常は卵胞という袋に包まれており発育するとこの袋が大きくなります。そして大きさが2cmくらいになると破裂することで卵細胞が卵胞中の液体と共に排卵される仕組みになっています。
しかし多嚢胞性卵巣の場合には、卵胞が10mmくらいの大きさのものが卵巣にたくさんできそれ以上成長しないために、正常な排卵が起こらないのです。
そして多嚢胞性卵巣症候群の方は、上述した多嚢胞性卵巣の病態に加えて月経周期が35日以上となる月経異常や黄体化ホルモンという値が卵胞刺激ホルモンの数値よりも高く男性ホルモンの値も高いという状態になっています。
多嚢胞性卵巣症候群の原因とは
多嚢胞性卵巣症候群の方は最近増加傾向にあり女性の20%の方達が不妊傾向にあるのですが、そのうちの5%の方が多嚢胞性卵巣症候群です。多嚢胞性卵巣症候群の原因については、はっきりとは解明されておらずさまざまな諸説があります。
例えば糖代謝の異常や内分泌異常、男性ホルモンが卵巣内に多いことや太りやすい体質なども関係していると言われています。
多嚢胞性卵巣症候群の漢方薬治療とは
多嚢胞性卵巣症候群を直接治さなくても、排卵が自力でできるようになれば妊娠は可能となります。しかし排卵がどうしてもできにくい場合や無排卵の場合には治療は必要です。
西洋医学の場合には、主な多嚢胞性卵巣症候群の症状である排卵をしないという病態に対して人工的に直接働きかける投薬治療を行います。しかし漢方では、体が排卵しにくくなっているという体質自体を改善して行くという考えで個人の体にあった生薬を配合して治療をします。
具体的な治療としては
漢方薬に使用されている薬草は、生薬と言い採取をする時期や乾燥時間、温度などが大変厳しく決められています。お茶やハーブ、健康食品と違って漢方は、医師の指導の下で服用することが体に合うかどうかを決定します。
基礎体温表が、35日周期以上の方が多い多嚢胞性卵巣症候群のような方たちの場合には、生理周期が長いというオ血タイプにあてはまります。
このような多嚢胞性卵巣症候群の場合には、漢方薬の駆オ血剤といわれるものを使用して治療をしていきます。オ血というのは、血の滞りを簡潔にいうと指します。
駆オ血剤の効果としては、古血を除いたり血の循環を良くしたりする作用があります。駆オ血剤の漢方薬としては、桂枝茯苓丸や桃核承気湯、通導散、折衝飲などがあります。
漢方は自然の薬草から作られていますが、食物アレルギーなどで服用が制限される食品から薬が作られている場合もありますので注意が必要です。
漢方薬は医師の処方で
最初に漢方薬を飲む時は、医師に必ず処方してもらいましょう。医師から処方される場合には、保険も適用となりますので長期的にも利用しやすく治療も継続できます。
また治療の効果があらわれるためには、かなり時間がかかる場合がありますし、その飲み方にも注意が必要なことがありますので注意してください。
普段の生活習慣や体質そのものを見直すことも多嚢胞性卵巣症候群という病態を治して行くには、重要なこととなります。
まとめ
漢方で多嚢胞性卵巣症候群を治療する方法とは!
多嚢胞性卵巣症候群とは
多嚢胞性卵巣症候群の原因とは
多嚢胞性卵巣症候群の漢方薬治療とは
具体的な治療としては
漢方薬は医師の処方で