体重減少無月経 とは、別名を思春期やせ症とよばれます。若い女性に多く、まれに10代の頃の体重減少が原因で30代から治療を始める女性もいます。現代はスリムな体になりたくて必要でないダイエットをする若い女性が多くみられます。極端なやせ願望をもつのは危険なことです。
体重減少性無月経にならないために理解を深めましょう
体重減少性無月経とは
思春期の体重減少性無月経は、スリムになりたいという美容を目的に食べることを制限することから始まり、適正体重であるのに自分を肥満だと感じて拒食となり、その結果、月経不順になり、徐々に周期が長くなり月経が3ヶ月以上ない状態の無月経になります。
月経がこないことは、女性ホルモンが不足していることになり、子宮や卵巣だけではなく、骨や血管などにもさまざまな影響があらわれます。
体重が減ることは、体に必要なエネルギーが不足しているサインです。このエネルギー不足のサインを見過ごすと、体は生命の危機を感じて、生命の維持に必要な機能を優先的に守ろうとします。
逆の言いかたをすると、生命の維持に関係のない機能は停止させ、省エネな体にします。もっとも生命の維持に関係ない機能として生殖機能があります。この体で妊娠はできない体の状態になっていますので、脳の視床下部は生命の危機を感じて、体を守ることを最優先します。
生命の危機を迎えているのに、子どもができたら大変だと判断します。そして、脳は卵巣に命令を出さなくなり、卵巣の働きは停止します。停止することによって女性ホルモンも作られなくなり、排卵が起こらなくなります。
月経をもとどおりに起こさせるには
卵巣の働きを停止させていることを解除して、健康的な月経サイクルを取り戻していくには、少しずつでも体重を増やしていくことです。
脳に生命の危険がないと安心してもらうことが必要なのですが、減った体重は戻らないことが多いです。たった一度でも危機感にさらされると脳は安心せず、ある程度、体重が増えても、卵巣に命令を出さないことがあります。
結婚をして、妊娠を希望する時期がきても脳が危機感を感じたままだと、排卵の反応を起こしません。無月経の期間が長ければ長いほど、子宮が小さく委縮した状態になっており、ホルモンの反応がしづらいことになります。
体重減少性無月経の治療法とは
無月経の治療は薬物治療が中心になります。しかし、極端なダイエットによって無月経になった場合は、薬を使い出血すること自体に体に大きな負担となります。体重減少性無月経の治療の基本は、体重をある程度増やすことです。
月経をおこすには、低用量ピルを使用することが増えています。ピルの1錠の中には、女性ホルモンが2種類含まれており、飲み方も簡単です。
他にも2種類のホルモン剤を組み合わせてホルモンを補うカウマン療法があり、本来卵巣から出るべきである女性ホルモンを飲み薬で補うことで、月経と同じ出血をおこすようになります。
妊娠を望む方には、排卵するように初めから排卵誘発剤を使って、排卵するように治療をします。
生活習慣の改善が重要
月経は不規則だが、60日以上は間があかない方、ホルモンが少な目だが、ある程度保たれている方へはホルモン剤を使用せず、体を温めることに努めたり、血行を良くする漢方薬を服用して様子をみます。
生活習慣の改善も同時に見直します。適切な体重を保ち、体を温める食べ物を摂る(体を温める作用を持つサンシュユや亜鉛を多く含むマカは、冷え性対策とともにホルモンバランスのためにも摂ると良いとされる食品です。)、お風呂は湯船にゆっくりとつかる、ストレスをためないなどがあります。そうすることによって、卵巣の働きが戻るようになります。
月経不順は体からのSOS
月経不順から無月経とならないために、自分の体重をBMIの計算式でだしてみると自分が痩せすぎていないか分かります。
危険ゾーンは身長(m)×身長(m)×16です。痩せて理想とするモデルやバレリーナなど体重制限が必要な女性でも、BMIが18以下にならないように注意されています。
月経不順は体からのSOSといっても過言ではありません。月経不順であれば、生活習慣を見直すきっかけとするべきです。
まとめ
体重減少性無月経にならないために理解を深めましょう
体重減少性無月経とは
月経をもとどおりに起こさせるには
体重減少性無月経の治療法とは
生活習慣の改善が重要
月経不順は体からのSOS