国の指定難病約130種類の中にシェーグレン症候群という病気があります。シェーグレン症候群という病名は一般的にはあまり聞かれない病名ですね。 シェーグレン症候群 の 症状 とはどのようにあらわれるのでしょう?
シェーグレン症候群の症状
シェーグレン症候群とは
シェーグレン症候群とは、1933年、スウェーデンの眼科医、ヘンリック・シェーグレン氏が乾燥性角結膜炎として発表した論文にちなんでつきました。全身が乾燥する病気です。眼だけでなく口腔・鼻・皮膚など分泌腺が渇く病気ですが、はっきりした診断基準が難しく診断がつきづらいようです。
シェーグレン症候群は全身が渇くドライボディーといってもいいほど、全身の分泌腺が侵されて渇く病気です。シェーグレン症候群の症状は、さまざまな部位に現れます。眼が渇く(ドライアイ)、口が渇く(ドライマウス)、皮膚が渇く(ドライスキン)などが現れます。
シェーグレン症候群は40歳以上の女性に多く、男性は1割ほどと言われています。
眼の症状
シェーグレン症候群の症状でもっとも多い症状は眼の症状が挙げられます。涙の分泌が減るので眼が疲れたり、目やにが多くなったり、痛み、視界に膜がかかったようにかすんだり、すこしの光でも眩しく感じたりなどの症状です。
ドライアイの場合は、基礎分泌といって普通に過ごしている状態での分泌に問題がありますが、シェーグレン症候群の場合は、反射性分泌(ゴミが眼に入ったり、悲しいときなどに出る)も問題があります。
口の症状
シェーグレン症候群の口腔内の症状は、ドライマウスです。唾液の分泌に問題があり、唾液の分泌が少なくなります。口腔内が渇くといろんな問題が起きてきます。味覚がなくなったり、口内炎ができやすくなったり、虫歯が増えたりします。
自覚症状としてビスケットやせんべいなど渇いたものが食べづらくなったり、口臭がしたりします。喉まで影響し、食べ物が喉を通りにくくなったり、声がかすれてしまうなどの症状も出てきます。
関節の症状
シェーグレン症候群の症状で関節リウマチのような関節痛を起こすことがあります。関節リウマチとシェーグレン症候群が合併することがあり、判断が難しくなっています。関節の滑りを良くする骨膜に問題が起こることにより関節痛が起こります。
関節リウマチは関節が変形をすることがありますが、シェーグレン症候群の場合は変形することはありません。
その他の症状
シェーグレン症候群は自己免疫疾患なので、全身のあらゆるところで症状がでます。膣を滑らかにする分泌腺が働かない膣乾燥や、気道の分泌腺にもリンパ球の浸潤があり働きが阻害され呼吸器障害をおこします。
血管炎・腎臓などあらゆるところに症状が出るようです。体のあらゆる分泌腺がうまく機能しないので渇いてしまい、細菌や異物を体外へ排出できなくなるため、感染症にかかりやすくなるなど問題が起こります。全身の臓器障害もシェーグレン症候群の2~3割おこります。
シェーグレン症候群の診断
シェーグレン症候群の診断は、基準が厚生省で決められています。シェーグレン症候群の症状は、多岐にわたりますが、そのすべての症状が起こるわけではありません。治療法も確立されていないので、国の難病指定を受けています。
シェーグレン症候群と診断するために、医師は主に眼と口腔の所見を中心に判断します。生検組織検査でリンパ球浸潤をみます。唾液腺と涙腺の両方を行います。そのほかに唾液腺検査ではガムを噛んで唾液量を測る検査や血液検査もあります。
シェーグレン症候群の治療法は確立されていませんが、病気自体は生命を脅かす病気ではありません。現在の医療では症状を最小限に抑えられ、生活できるようです。
まとめ
シェーグレン症候群の症状
シェーグレン症候群とは
眼の症状
口の症状
関節の症状
その他の症状
シェーグレン症候群の診断