「ストレスチェック制度の実施でメンタル不調を未然に防ぐ(前編)」では、平成27年度に制定されたストレスチェック制度についてご紹介いたしました。後編では、 ストレスチェック 制度 により、どのようなストレスが浮き彫りとなったのかご紹介いたします。
ストレスチェック制度の実施でメンタル不調を未然に防ぐ(後編)
女性が職場で受けるストレスとは?
ある人材採用企業の調査によると働く女性の約90%以上が何らかのストレスを感じていると回答があったそうです。
そのストレスの内容の上位は「上司との人間関係」「給与が低い」「同僚・部下との人間関係」となりました。現代では既に多くの人たちの周知の言葉となったセクシャル・ハラスメントとは性的な言動による嫌がらせ行為を指します。
1989年に新語・流行語大賞でセクシャル・ハラスメントという言葉が受賞したように1980年代に徐々に使われはじめて1990年代には今まで公になりにくかった職場での性的嫌がらせによる裁判などでもセクハラ問題が大きく取りざたされることとなってきました。
セクシャル・ハラスメントとは男性が女性に対して行うものだけでなく、女性が男性に、また同性同士の間で関わる性的嫌がらせについても対象となります。
なかでも女性は男性と比べ、妊娠や出産という身体的にもはっきりとした変化を長い期間目に触れられることで、性的な言動による嫌がらせを受ける機会が多いとされています。
厚生労働省の調査によると日本は職場で管理職に占める女性の割合は年々少しずつ上昇しているものの、国際的にみるとアメリカ(2012年調査)47.6%やフランス(2012年調査)39.4%に比べると日本は(2013年調査)11.2%と非常に低い水準にあることがわかります。
男性が管理職、女性が部下といった形態の時代が長くあることで、どうしても男性が女性を軽視した職場環境という悲しい現実が残されている職場も未だに少なくないようです。
そういった職場では女性がジョーク交じりに男性との関係を詳しく質問されたり、執拗に食事などの付き合いに誘われたり、しつこく性的な話題を持ちかけられたりというセクシャル・ハラスメントを受け続けている女性も多いようなのです。
セクシャル・ハラスメントは職場で受けるストレスの中でも特に大きな精神的苦痛をもたらす問題です。
女性は今までセクシャル・ハラスメントをはじめとしたストレスを職場上司に訴えることもありましたが、口頭だけで一方的に訴えられたものは実質上一種の文句としかとらえられず職場改善に結び付けることは非常に難しかったようです。
しかしストレスチェック制度が制定されたことで訴える側の正当性をあらわすひとつの基準となる大きな役割を果たすものとなりました。
セクシャル・ハラスメントだけでなく、職場では幅広い年齢層の人間が集まり、長年勤めることで関係性も複雑になって、その人間関係が与えるストレスは男女ともに非常に大きなものです。
しかしストレスは目に見えないもので苦痛を訴えることは非常に難しいものでしたが、ストレスチェック制度が人権を守る手段として今後ますます重要になってくることでしょう。
まとめ
ストレスチェック制度の実施でメンタル不調を未然に防ぐ(後編)
女性が職場で受けるストレスとは?