双極性障害II型という言葉を聞いたことがあるでしょうか。この障害は、現在ではテレビでも紹介されることもあるようですが、何年か前までは日本ではあまり知られていない病気でした。
では 双極性障害 の II型 というのは、どのような病気なのかなどについてご説明します。
双極性障害のII型というのは、どのような病気なのか
双極性障害とは
双極性障害というのは、躁状態とうつ状態の病気の症状を繰り返す精神疾患です。病気のカテゴリ-としては、うつ病とともに気分障害に含まれます。一般的な古い呼び名では、躁うつ病と呼ばれていました。また専門的には双極性感情障害とか双極症とも言われます。
世界保健機関の調べでは、6,000万人が世界中で罹っていると推定されているそうです。一番起こりやすい年齢としては25歳で、始めて発病する年齢としては15歳から19歳頃からで12歳以下というのはまれです。
また一致率としては、一卵性双生児の場合には50%から80%で二卵性双生児 の場合には、5%から30% よりもやや高いということです。このことからこの病気は、遺伝的要因が高いということがわかります。
双極性障害のうつ状態や躁状態というのは、ほとんどにおいて回復するのですが残念ながら90%以上において再発します。
予防としては、一般的に気分安定薬による治療が必要となり、生活習慣の改善も必要です。そして生涯にわたって障害とつきあいながら治療を続ける必要があります。
少し難しい言葉ですが、単極性の大うつ病という病気がありそれに似ていると思われがちなのです。しかし実際には、全く異なる病気や障害です。たとえ似たような症状が出たとしても発病するメカニズムや治療の際に使用される薬などは、全く違います。
この点で同じような気分障害ではあるのですが、全く異なる病気でありi型とII型の二つがあります。
双極性障害のII型とは
米国で1970年頃に双極性障害 II型という病気が確立されたようです。米国の研究者のアキスカルが双極性障害を細かく分類した結果,双極スペクトラムという概念を連続的に細分化された病像をとらえて提唱したのです。
当時でもうつ病かそううつ病であるか双極性障害 i型かということは、鑑別することができはっきりしている病気でした。そして双極性障害 II型の患者の場合にも軽い躁状態がほとんど見過ごされたために多くの場合がうつ病として診断されていたのです。
そしてそのための治療がなされていましたので、双極性障害 II型の患者はなかなかよくならないという状態でした。
というのも抗うつ薬を中心とするのがうつ病の治療です。しかし双極性障害治療としては、上述しました気分安定薬を中心とするものだからです。
そして問題となることは、うつ病から双極性障害 II型に診断が変わるためには、かなり長くの時間がかかるためです。平均しますと8年くらいから20年近くかかるということもあるようです。
双極性障害のII型の治療の仕方とは
他科と違って精神疾患の場合には,明確な原因も治療法も確立されていないことが多く、このような脳の病気ということで精神疾患に分類されているものなのです。もし原因や治療法が確立されているのでしたら脳の疾患ということになるものです。
そして双極性障害は、たとえ完治できなくても日常生活においては支障がない程度までに回復するということは期待できます。
双極性障害 II型の場合も他の疾患やパーソナリティの問題などで鑑別なども難しいという点もあります。しかし双極性障害 II型と診断された場合でも薬を切って様子を診る治療もできる例が出てきています。
それは、たとえば患者にストレスがかからないような環境になった時などですが、結局のところ双極性障害ではなかったというような場合もなかにはあります。
そして双極性障害 II型の治療方法なども今後どのように変化するかわかりません。
しかし自分はそのような病気ではないと自分勝手に信じ込んでしまうのは危険です。望ましくない状況というのは、きちんと治療をせずに回復できないような社会的障害を本人や家族が負うことがあるということです。
何よりも医師によるきちんとした治療や規則正しい生活を行うことで、事実上の完治ということもできるということを理解して治療などを地道に行なってください。
まとめ
双極性障害のII型というのは、どのような病気なのか
双極性障害とは
双極性障害のII型とは
双極性障害のII型の治療の仕方とは