閉経といえば40代後半から50代のイメージがありますが、20代で閉経してしまう場合もあります。若いからといって、生理周期の乱れは不妊の危機、 早発閉経 の可能性があります。決して放置せず婦人科を受診しましょう。
早発閉経は若くても危険性あり、早発閉経の可能性?
早発閉経とは
閉経は卵巣内の卵胞がほとんど無くなったために起こる場合と、脳下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)受容体の機能低下により、無排卵・無月経となる場合があります。
43歳未満で閉経し、かつ前者を“早発閉経”、後者を“ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群”といいます。両者とも“早発閉経”という場合もあります。ここでは両者について紹介します。
早発閉経は20代でも起こり、なんと1000人に1人の割合で起こるといわれています。30代では100人に1人と意外と多いことが分かります。
早発閉経が起こる原因
多くの婦人科系の病気がそうであるように、確たる原因は不明ですがいくつか候補があります。
ターナー症候群など性染色体の異常、がんに対する化学療法、放射線療法、たばこなどの毒性物質、自己免疫疾患、代謝異常、ウイルス感染症、卵巣の外科的切除、そしてストレスによるホルモン分泌の乱れです。
早発閉経の症状
43歳以下で1年以上月経が無くなることです。完全に月経が止まる前に周期が開いたり、短くなったりすることがあります。
また通常の閉経と同様、ホルモンバランスの乱れによるのぼせ、動悸、めまい、うつ状態などに代表される、更年期障害の症状が現れる場合もあります。
早期閉経のリスク
1番のリスクは不妊です。特に卵巣内の卵胞が無くなってしまった場合は卵子の提供を受ける以外に妊娠することは不可能です。
“ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群”である場合は、ホルモン療法で排卵を促すことにより妊娠が可能になる場合もあります。
検査について
ターナー症候群など性染色体の異常は遺伝子検査を行うことで比較的容易に診断が可能です。頻繁に生理が来る場合は多発性月経症候群や、子宮内膜増殖症のような他の婦人科系の疾患も疑われますので、内視鏡検査などの精密検査を行い、他の病気でないことを確認します。
また、生理が止まってしまった場合は“ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群”であるか卵胞の枯渇であるかを確認する必要があります。どちらもホルモン検査を行うことにより確認することが出来ます。
早発閉経の治療
先ずは将来妊娠を希望するかしないかによって治療に使用するホルモンの種類を決めます。妊娠を希望しないのであれば、更年期障害様の症状を緩和するホルモンを選択します。妊娠を希望する場合は、先ずは生理周期を整えることを目的としたホルモン療法を行います。
その後排卵誘発剤を使用して排卵を起こします。しかしながら、卵母細胞の数には限りがあるので、排卵誘発剤の多用は卵胞枯渇型早期閉経の一因ともなり得ますので注意が必要です。残念ながら卵巣内に卵胞が完全に無くなってしまった場合は治療の方法はありません。
将来後悔しないために
ストレスの多い現代において、悲しいですが女性の生理不順は良く起こることです。しかし、よくある事と一括りにせず生理が通常と変わったと感じ、その状態が続くようなら、少しでも早く産婦人科を受診してください。
早発閉経以外の病気が見つかる可能性もありますし、卵胞枯渇型の早発閉経であっても早くに見つかり、まだ卵母細胞が残っていれば妊娠の可能性を残すことも可能です。
最悪、卵胞が完全に無くなってしまったとしても、子宮の機能が残っていれば、卵子提供を受けて子供を授かることも出来ます。将来の可能性を残すためにも早期受診は有効だと考えます。
まとめ
早発閉経は若くても危険性あり、早発閉経の可能性?
早発閉経とは
早発閉経が起こる原因
早発閉経の症状
早期閉経のリスク
検査について
早発閉経の治療
将来後悔しないために