子宮筋腫 は良性の腫瘍なので、生命の危機に関わることはありません。しかし、腫瘍が大きくなった場合は手術が必要になります。どのような状態になったら 手術 が必要になるの? 費用 はどれくらい?健康保険は適用されるの?気になる点をここでいっしょに確認してみましょう。
ほとんどが健康保険適用!子宮筋腫の手術方法とその費用
手術が勧められる状態とは
腫瘍は良性ですので、小さい場合は手術の必要はありません。約10センチ程度(こぶし大)の大きさになると手術が勧められます。
腫瘍がかなり大きくなると、痛みや月経量が多くなるだけではなく、不妊や流産そして早産の原因になりますので、その後の妊娠の希望の有無の確認も含め医師と相談しながら、最終的に手術が必要かどうか決定されます。
子宮全摘術
子宮全摘術では、開腹手術によって子宮全体を摘出します。子宮をすべて取り除くので、その後の妊娠は不可能になります。したがって、妊娠を希望する方には実施されず、40歳以上の方や妊娠を希望しない方を対象に実施されます。
ただし、複数箇所に渡り無数の筋腫が発症している場合は、子宮全摘術が選択される場合が多くあります。子宮全摘術のメリットは、卵巣はそのまま残されるためホルモン分泌は正常に継続すること(更年期障害のような症状がおこりません)、腫瘍の再発がない、その後の子宮関連の病気にかかることがない、という点です。
入院期間は、開腹なので身体に負担がかかることから、約10日間が目安にされています。
筋腫核出術
筋腫核出術では、腫瘍の核部分だけが切除されます。8-10センチ程度の切開による開腹手術、小さな穴を腹部に数箇所開けて器具を挿入する腹腔鏡手術、そして子宮から手術器具を挿入し、カメラの尖端の電気メスで腫瘍核を切除する子宮鏡下筋腫核出術(粘膜下筋腫ー子宮内部に腫瘍がある場合のみ実施可能です)、のいづれかが選択されます。
この手術では、子宮が残されるので、その後の妊娠は可能です。妊娠を希望している方を対象に実施されます。また妊娠は望まなくても子宮は残したいという方も、この手術を選択します。
筋腫核出術のデメリットは、筋腫再発の恐れが残ること、そして手術中の出血量が多くなる点です。腫瘍が大きくなっている場合また複数箇所に発症している場合は、開腹手術になりますので、約10日間ほど入院が必要になります。
腹腔鏡手術では、傷も小さく身体負担も少ないため入院は約1週間程度。子宮鏡下筋腫核出術ならば、数日間の入院で済みます。
集中超音波治療(FUS)および子宮動脈塞栓(UAE)
この2つの治療方法は最先端の治療で、メスを用いずに腫瘍を小さくする方法です。FUSは、超音波を使い腫瘍を焼灼させる方法です。治療は2-3時間で済み、入院の必要もありません。
UAEは、子宮内の血管を薬で閉じ、腫瘍に栄養や酸素を与える機能を遮断し腫瘍を萎縮させる方法です。こちらも、3、4日の入院で済みます。最先端の治療方法ですが、デメリットもあります。やはり子宮を残すため、再発の可能性があり、また卵巣機能の低下が懸念されています。
健康保険
最初に検査を受ける場合、内診や超音波エコーなども健康保険適用になります。現在健康保険は3割自己負担ですので、初回検診は約3,000円程度で済みます。
検査で子宮筋腫が発見された場合、その後の治療にも健康保険が適用されます。ただし、健康保険適用外の治療もありますので注意してください。費用は病院によって多少なりとも異なりますが、以下を参考にしてください。
費用
手術費および入院費に健康保険が適用されます。健康保険適用後の費用は、子宮全摘術で約20-25万円、筋腫核出術で15-20万円(子宮鏡下筋腫核出術は約10万円)です。
一方、FUSおよびUAEには健康保険が適用されません(但し、医師の判断で保険適用になる可能性もありますので担当医と確認してください。またこの治療方法が実施されている病院も限られていますので事前にチェックが必要になります)。現在約40-85万円程度の自己負担が必要です。
まとめ
ほとんどが健康保険適用!子宮筋腫の手術方法とその費用
手術が勧められる状態とは
子宮全摘術
筋腫核出術
集中超音波治療(FUS)および子宮動脈塞栓(UAE)
健康保険
費用