乳癌の検診で精密検査となると専門医に視触診をしてもらいマンモグラフィーやエコー検査になります。その後も針生検などがあり検査の後に医師から浸潤性乳管癌と告げられることもあります。
では、 浸潤性乳管癌 とは、乳癌でも重症の癌なのかどうかに付いてご説明します。
乳癌の浸潤性乳管癌は、重症な癌なのでしょうか
浸潤性乳癌とは
浸潤性乳癌にもさまざまな種類がありますのでご説明します。
乳管上皮細胞から浸潤癌は、非浸潤癌と同様に発生します。浸潤性は、間質組織へ増殖するというのが特徴です。乳管内に75%は、癌細胞が広がるという像が見られ乳管内成分と一般に呼ばれています。
組織構造の違いで3型という乳頭腺管癌や硬癌、充実腺管癌に分類されています。浸潤癌は、乳癌の8割強を占めており、3型の比率は1:2:1となり、硬癌が乳癌全体の4割を占めています。
そしてリンパ節への転移陽性率は、硬癌が一番大きく充実腺管癌、乳頭腺管癌の順となります。また癌の脂肪織浸潤やリンパ管侵襲、そして皮膚浸潤でも硬癌が一番酷く、充実腺管癌、乳頭腺管癌の順になっています。
乳腺組織内に癌巣がとどまっているのは、乳頭腺管癌が一番で充実腺管癌、硬癌となりますし、10年の生存率が高い順は乳頭腺管癌、充実腺管癌、硬癌となります。
硬癌とは
硬癌は、マンモグラフィでみると毛羽立ちのような特徴のある形のスピキュラというものを伴う腫瘤です。しかし細かな毛羽立ちだけでは実際はスピキュラの所見は、はっきりしません。そして微細分葉状というものを示すことの方が多いのです。
また腫瘤がスピキュラを思わせるような場合でも癌とははっきりしないこともあり、背景の乳腺に病巣が埋もれているということもあります。このような場合には、画像も乱れており癌の診断としては見逃され不確となります。
エコーでの調べでは、不整形の境界の不明瞭な低エコー腫瘤として描がき出されます。上の方は断裂していて、不規則なグレー調の領域として見えるようです。病変の下の後方エコーは、黒く見える減衰という状態で、比較的エコーとてしは特徴があります。
触診をすると不整形で、硬い境界が不明瞭な腫瘤を形成していて、小さい1p程度のものでもわかります。このような乳癌は、最も予後が良くない乳癌です。
充実腺管癌とは
充実腺管癌は、8割がマンモグラフィで調べると腫瘤を形成しています。そのうちの3割は、境界が明瞭な辺縁で6割が微細分葉状という様相となっています。
全体に腫瘤は、高濃度のものが多くしかも腫瘤の中心に行く程濃度が高く描き出されます。全体の3割程度が微細石灰化します。マンモグラフィで腫瘤と指摘されるものには、充実腺管癌が多いのです。
エコーで調べると周囲を圧排発育しているという特徴があります。低エコー腫瘤で比較的境界が明瞭な状態で発見されます。楕円形や円形、多角形を示すということがあり、やや分葉するということもあります。形は、このようにさまざまで特徴がありません。
縦に長いものは腫瘤として認められ、この場合には判断がつきやすくなります。細胞成分が腫瘍内部には多く、腫瘍の下が白くなるというのが特徴です。
乳頭腺管癌とは
乳頭腺管癌は、マンモグラフィの画像を撮るとその中心は石灰化しています。6割が石灰化のみでの発見となります。腫瘤が伴っていても石灰化が認められ、4割程度がはっきりと腫瘤像が認識できます。
特有な所見というのは、腫瘤像にはなく、この石灰化がマンモグラフィで悪性と判断されないと誤診となることがあります。
エコーでみると硬癌や充実腺管癌の中間的な位置にあります。乳癌は、一般に縦横比が高いのですが、圧排発育性の特徴はありません。そしてこの癌は縦横比が低く管内進展の特徴を反映しないものです。腫瘍の下の後方エコーも中間型で特徴というのはありません。
腫瘤を浸潤部分が少ない場合には、はっきりと形成していません。このような面でもエコーで調べても特徴に欠け、発見されにくく誤診されるという傾向の高い乳癌になります。浸潤性乳管癌のなかでは、予後の最も良い乳癌です。
浸潤性乳癌にも、さまざまな種類の物がありますので上述した内容を参考にしてください。そして病変を検診などで指摘された時に、良性と間違われそうになった場合でも再度診断医に確認するような時の手立てになると思いますので活用してください。
まとめ
乳癌の浸潤性乳管癌は、重症な癌なのでしょうか
浸潤性乳癌とは
硬癌とは
充実腺管癌とは
浸潤性乳管癌の乳頭腺管癌とは