子宮内膜症 は強い月経痛や腰痛、過多月経など様々な症状を引き起こします。その治療は患者の年齢やライフスタイル、妊娠や出産希望の有無等、様々な要素を考慮しながら行われますが手術による治療も多い病気です。また 手術 方法によっても 費用 は異なります。
子宮内膜症の手術概要とその費用
子宮内膜症は身近な病気
子宮内膜症は妊娠可能な年代の女性には比較的身近な病気です。全女性の何%かというと正確な数字は難しいものの、不妊に悩み婦人科を受診する人のうち、3分の1は子宮内膜症です。
さらに不妊に悩むカップルは10組に1組といわれていることを鑑みると比較的多い病気であると言えます。
さらに近年は初経年齢が下がり初産年齢が上がっていることによって初経から最初の妊娠までの期間が長くなっており、それが理由で子宮内膜症の発生が多くなっていることがわかっています。
子宮内膜症の治療方法
子宮内膜症の治療には大きく分けて薬物療法・手術療法の2つの方法があります。それぞれの長所・短所がありますので一概にどれがいいとはいえません。
年齢・症状・子供の有無・将来の妊娠希望の有無及び可能性などを慎重に考慮すると同時に患者本人の希望をよく聞きとりながらもっとも適していると思われる治療方法を決めていきます。
症状が比較的軽く若い患者へは薬物療法をまずは試してみる、妊娠を希望している患者へは積極的に手術療法を採用する等、通常は子宮内膜症の治療は患者の意思を尊重して行われます。
手術治療となる場合
手術治療は、症状が重く薬物療法が効かない場合や妊娠を望まぬ場合は積極的に行います。手術方法は子宮や卵巣といった症状の原因を取り除き将来の再発リスクを完全に排除してしまう根本的手術療法と、子宮や卵巣を妊娠に備えて残し病巣だけを切り取る保存的手術療法があります。
いうまでもなく、子宮や卵巣の切除は妊娠が不可能となるため、既に子供がおり次の妊娠を望まない患者や、将来の妊娠を望まない患者にのみ適応されます。
手術の方法として、お腹を切って行う開腹手術とお腹を切らずに内視鏡を使って行う内視鏡手術がありますが今日では子宮内膜症治療目的の手術方法として、手術リスクの少ない内視鏡手術が一般的となっています。
各手術の長所短所とその費用
開腹手術の場合は、手術のために大きくお腹を切開するために術後の回復に時間がかかること、さらにそのために入院期間が10~14日程度と入院費用もかかること、なにより患者自身の体の負担が大きいことなどが短所としてあります。
とはいえ内視鏡手術では適応できない場合、例えば病巣のできた場所が内視鏡手術で対応するには非常に困難な場所でありリスクが高いようなとき、高度肥満の患者であるときなどは開腹手術の適応となることもあります。
手術費用や入院費用を合わせて概ね自己負担額(3割負担)で20~30万円ほどの病院が多いようです。
対して、腹腔鏡手術の場合は開腹しないために術後の痛みが少なく体の負担も軽いことから病巣切除であれば3日程度の入院で済むというのが長所として挙げられます。
手術の内容によっては回復にもう少し日数を要する場合もありますが、入院期間が短いため費用としては15~20万円の自己負担額で済むことが多いようです。
長所が多い術式のため今日では腹腔鏡下での手術治療が一般的になりつつあるものの、万能というわけではないこと、直接お腹の中を見ずに行われるため手術によるリスクが相対的に高いものであることは注意が必要です。
高度療養制度の利用
上記の入院・手術費用の金額は3割の自己負担額の金額ですが、高額療養費制度が使えますので実際の支払額はかなり抑えられます。
この高額医療費制度については、所得に応じて自己負担限度額が違うので手術が決まったら事前に調べておくことと「限度額適用認定証」の交付申請をしておくことが大切です。ただし月をまたいでの入院となる場合には注意が必要です。
まとめ
子宮内膜症の手術概要とその費用
子宮内膜症は身近な病気
子宮内膜症の治療方法
手術治療となる場合
各手術の長所短所とその費用
高度療養制度の利用