「漢方を正しく理解して子宮内膜症と向き合いましょう(前編)」では、漢方の概念や子宮内膜症における漢方治療の位置づけについてご紹介しました。後編では、 子宮内膜症 に用いられる具体的な 漢方 とその効果についてご紹介します。
子宮内膜症は、一度発症すると長く付き合わなければならない疾患ですので上手に付き合いましょう。
漢方を正しく理解して子宮内膜症と向き合いましょう(後編)
子宮内膜症に用いられる具体的な漢方薬とその効果
当帰芍薬散
胃腸が弱く、病気に対する抵抗力や体力がない人の冷え、肩こり、めまいなどに対し、効果を示します。また、排卵障害の改善効果を期待できるため、不妊治療にも効果を期待することができます。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
胃腸が弱く、病気に対する抵抗力や体力がない人の腰痛や下腹部痛に効果を示します。
温経湯
胃腸が弱く、病気に対する抵抗力や体力がない人の手足のほてりなどに効果を示します。また、排卵誘発効果も認められているため、不妊治療に用いることができます。
桃核承気湯
胃腸が丈夫で、病気に対する抵抗力や体力が比較的ある人ののぼせ、精神不穏、下腹部痛に対して効果を示します。
芎帰膠艾湯
出血が多い場合に用いられます。
桂枝茯苓丸
子宮内膜症の症状軽減作用に加えて、子宮内膜症そのものの改善が期待できます。更には薬物療法による副作用を軽減させる効果もあるといわれています。また、冷え性を改善する作用に伴い、不妊治療に対しても効果が期待できます。
芍薬甘草湯
胃腸や体力が普通の人の強い下腹部痛に対して効果を示します。また、排卵が抑制されるプロラクチン分泌を抑えることにより不妊治療にも効果が期待できます。
他にも子宮内膜症に用いられる漢方薬はいくつかあります。また、漢方に特化した医療施設や薬局では、その人に合った生薬を複数組み合わせたオリジナルの漢方薬が薦められることもあります。
子宮内膜症と上手に付き合っていくために
子宮内膜症は子宮や卵巣を摘出しない限り、再発の恐れがあります。すなわち、子宮内膜症を1度発症してから月経がある限り長い期間向き合っていく必要があるということです。その子宮内膜症と上手く付き合っていくためには、自分に最適な治療法と出会うことです。
子宮内膜症の治療には外科的治療、薬物治療の現代医療と漢方薬治療の漢方医療がありますが、これらを上手に組み合わせ子宮内膜症と仲良く生活していきましょう。
また、子宮内膜症は身体が冷えることで血液が滞り症状が悪化しやすくなるため、年中通して身体が冷えないように日頃から意識して生活することも、子宮内膜症と上手く付き合っていくためには必要なこととなります。
まとめ
漢方を正しく理解して子宮内膜症と向き合いましょう(後編)
子宮内膜症に用いられる具体的な漢方薬とその効果
子宮内膜症と上手に付き合っていくために