婦人科系の病気の中でも子宮筋腫に次いで有名なのがこの子宮内膜症ではないでしょうか? 子宮内膜症 は子宮内膜増殖症と混同されがちですが直接ガンには結びつきません。しかし、不妊の原因になるのでやはり注意が必要な病気です。
子宮内膜症は不妊の原因にも!!定期検診で安心!
子宮内膜症とは
子宮内膜症は子宮内膜が子宮の内側以外にでき、更に増殖してゆく病気です。多くは骨盤内に発生します。そして子宮内膜ですので月経時には剥がれて血液とともに排出されます。稀に腸管、肺、皮膚にもできることがあります。
子宮内膜が逆流して卵管や卵巣にも発生することもあります。これは月経時に排出されずに古い血液がどんどん貯まり、大きく膨れてチョコレートの塊のようなチョコレート嚢胞というものを形成します。この嚢胞のために排卵がうまくいかず不妊の大きな原因になりますので注意が必要です。
また、非常に稀ではありますが嚢胞が破裂して強烈な腹痛を引き起こすこともあります。
子宮内膜症の原因
子宮内膜移植説と体腔上皮化生説が有力だと言われていますが、現時点でははっきりとした原因はわかっていません。子宮内膜移植説は月経血が逆流し卵管から腹腔内に到達し、その中にある子宮内膜細胞が生着するという説です。
もう一方の体腔上皮化生説は、腹膜自体がホルモンの刺激を受けて子宮内膜様に変化して子宮内膜症を発症するという説です。
昔は初産の年齢が低く、数人の子供を持つ方が多かったので子宮内膜が増殖しない時期ができるため、発症率が少なかったといわれています。
子宮内膜症の症状
月経時および月経時以外の下腹部痛や排便時の痛みがあげられますが、痛みの程度は個人差があるので、健康体でも月経時の痛みが酷い方がいたり、子宮内膜症でも全く痛みを感じない方がいたりします。
稀に胸膜や肺、腸管、尿道などにも発生することがあり、血痰や下血、血尿など全く子宮内膜症と関係のなさそうな症状がでることもあります。
このように婦人科系の病気は自覚症状が人によってまちまちであり、自己診断が難しいです。それにも拘わらず不妊の原因になったりすることが多いのです。
月経痛が酷い方は念のため、将来子供を産みたい方は20歳を過ぎたらこまめに医療機関を受診するのも自己防衛手段として良い方法だと思います。幸い子宮内膜症が不妊原因にならず、妊娠、分娩を機に治ることもあります。
閉経後は卵巣が機能しなくなるのでホルモンが補給されず、子宮内膜が増えず、過去に増えたものも委縮していき自然に治ります。
子宮内膜症の治療
症状の種類や子供を産みたいかどうかにより手術を行う場合がありますが、年齢的にも若く、妊娠希望がある場合は薬物療法で経過をみます。薬物療法で最も簡単なのが月経時に鎮痛剤を服用する方法です。
子宮内膜症は一般的に進行が遅いのでこの方法で妊娠、分娩した後自然治癒することもあります。経口避妊薬を服用して疑似的に妊娠状態にしたり、疑似的に閉経状態にしたりして子宮内膜が増殖しないようにし、自然治癒を待つ方法もあります。
病巣だけを摘出して前述のような薬を投与する方法もありますが、投薬は根治療法ではないので再発する可能性が高いです。子宮、卵巣を摘出すれば根治できますが、妊娠を望まない場合に限ります。
子宮内膜症の早期発見
内診(触診)もありますが、血液検査や超音波検査、CTスキャン、MRIなど機械的な検査でも診断できます。病巣の位置や進行度を調べる為に膣から小さなカメラを入れて内部の様子を見たり、腹部に小さな穴をあけたりして腹腔鏡で腹部の癒着などをみる検査もあります。
子宮内膜症は進行がゆっくりである為、妊娠を希望する女性は年に1度または若いうちは2年に1度でいいので婦人科で定期的に検査を行うようにすると安心でしょう。
まとめ
不妊の原因にも!定期検診で安心子宮内膜症
子宮内膜症とは
子宮内膜症の原因
子宮内膜症の症状
子宮内膜症の治療
子宮内膜症の早期発見