生理でもないのに下腹部が締め付けられるように痛んだり、38~39度の高熱が出たり、不正出血がみられると、 子宮内膜炎 かもしれません。痛みが強くなると、お腹のどの辺りが痛いのかはっきりわからず、急性胃腸炎だと判断されてしまうこともあります。
子宮の病気は進行すると、子宮や卵巣を摘出しなくてはならなくなったり、他の臓器にも影響を与えることがありますので早めに婦人科を受診しましょう。
子宮内膜炎は細菌感染!放置すると危険です
子宮内膜炎の原因は細菌感染
子宮内膜炎は子宮内に細菌が侵入し、子宮内膜に炎症をおこす病気です。通常はおりものが細菌の侵入を防いでいるため感染することはありませんが、身体の抵抗力が弱まっている時や、何等かの原因で外部から細菌が侵入してしまうと影響を受けてしまうことがあります。
流産や中絶、出産などで子宮頸管がまだ開いている状態で、子宮内に傷ができている時は最も細菌感染するリスクが高く、注意が必要です。外部から子宮内に細菌が侵入する原因として考えられるものは、不衛生な生理用品などがあります。
細菌はパートナーにうつしたり、うつされたりしてしまうため、気を付けなければなりません。また、ごくまれにリンパ節や卵管を通して細菌が侵入することもあります。
子宮内膜炎の種類
子宮内膜炎には大きく分類すると、急性子宮内膜炎、慢性子宮内膜炎、老人性子宮内膜炎の3種類にわけられ、症状や治療方法も異なります。
急性子宮内膜炎は子宮内膜の表面に近い部分に細菌が感染し、炎症をおこしている症状で、生理で子宮内膜が剥がれ落ち外に排出されることで自然に治癒することもあります。下腹部痛や発熱、不正出血やおりものの増加などの症状が見られ悪化すると卵管や卵巣にまで炎症が広がることがあります。
慢性子宮内膜炎の場合は、生理不順などで生理の回数が少なかったり、生理の出血の量が少なかったりすることで、細菌は子宮筋層へ定着し慢性化してしまいます。特に症状はありませんが月経不順や不妊の原因にもなります。
老人性子宮内膜炎は、加齢によって体内の女性ホルモンの分泌が減少することで膣や子宮内の抵抗力が弱まり、細菌感染しやすい環境となってしまうことが原因です。黄緑色の膿を含んだおりものが増えます。膿が子宮内に溜まり下腹部痛やけいれんをおこすことがあります。
また出産後は、子宮や膣にできた傷口や帝王切開の傷から細菌感染したり、子宮内に残っている残留物が原因で子宮内膜炎になることがあります。これは産褥性子宮内膜炎と呼ばれ、出産後の回復に大きく影響するため、経過は病院で慎重に取り扱われます。
不妊の原因は子宮内膜炎かもしれません
不妊に悩みさまざまな検査を受けた結果、原因は慢性子宮内膜炎であったという例は少なくありません。生理不順は子宮内膜炎をおこしやすい環境を作るだけでなく、排卵障害や着床障害をおこす原因となります。
子宮内膜炎が不妊の原因であった場合の治療は、抗生物質で炎症を抑え、生理不順のサイクルを整えます。子宮内膜炎が完治できれば妊娠する可能性は高くなります。しかし症状が治療を始めた時点で重症していると妊娠することができなくなることもありますので、早めの治療が必要です。
生理不順は特に生活に支障が出るわけではなく不快な症状もないため放置しがちですが、子宮や卵巣、ホルモンのバランスなどに異常があるサインです。生理が順調に来ていなければ、重大な病気になる前に婦人科の病院で相談してみましょう。
子宮内膜炎の予防は何よりも清潔を保つこと!
細菌感染を防ぐには、清潔を保つことと免疫力を高めることしかありません。特に生理の時は、細菌にさらされやすくなってしまうので、生理用品はこまめに交換し、できればウォシュレットを利用して定期的に洗浄しましょう。
まとめ
子宮内膜炎は細菌感染!放置すると危険です。
子宮内膜炎の原因は細菌感染
子宮内膜炎の種類
不妊の原因は子宮内膜炎かもしれません。
子宮内膜炎の予防は何よりも清潔を保つこと!