子宮筋腫 の 手術 と聞くと、とても恐ろしい印象があるのではないでしょうか。「子宮を摘出しなければいけないの?」「手術をしても赤ちゃんはできるの?」など、女性にとっては不安の大きな手術になります。
現在年齢を問わず多くの女性が子宮筋腫の手術を受けており、より女性の身体に優しい手術も増えています。子宮筋腫の手術にはどのような種類があるのか、最新の技術にはどのようなものがあるのか見てみましょう。
怖いけど知っておきたい!?子宮筋腫の手術
どんな時に子宮筋腫の手術をするの?
子宮筋腫には先ず投薬治療を行いますが、薬には骨粗鬆症などの副作用があり、長く続ける事が難しい場合もあります。
副作用が出ず投薬治療を続けても筋腫が大きく成長し、貧血や腹痛、腰痛、頻尿で通常の生活が難しくなると手術を考えなければいけません。
また筋腫が5㎝を超えると不妊の原因になると考えられ、不妊治療では子宮筋腫があるかを調べます。
筋腫は妊娠しても流産や早産の一因になりますので、妊娠前に大きな筋腫がある場合は医師が切除を薦める場合もあります。
子宮筋腫の手術って、どんな種類があるの?
以前は開腹手術で筋腫や子宮を切除するのが主流でしたが、現在では女性の身体を考え、子宮を温存し傷跡の小さな手術も増えてきました。
短期での退院が可能な手術もあり、数種類の中から医師と相談し患者が選択出来るようになりました。
腹式子宮筋腫核手術(ふくしきしきゅうきんしゅかくしゅじゅつ)
現在でも多くの病院が行っている開腹手術です。お腹に傷痕が残り、入院期間も日数を要します。一番ポピュラーな手術方法です。
腔式子宮筋腫捻除術(こうしきしきゅうきんしゅねんじょじゅつ)
膣側から筋腫を取り出します。主に有茎粘膜下筋腫(茎がありサクランボの様にぶら下がっている形)の場合に行われます。
子宮鏡下筋腫核手術(しきゅうきょうかきんしゅかくしゅじゅつ)
電気メスを膣側から入れ、粘膜下筋腫を切除します。
内視鏡下手術(ないしきょうかしゅじゅつ)
筋腫が10㎝以下と小さな場合に可能な手術で、10㎝以上大きくなっても薬物である程度小さくなれば行うことが出来ます。手術後は回復が早いので、入院期間も短くて済みます。また手術の痕が目立たず、女性にとっては精神的にも肉体的にも優しい手術です。
子宮動脈塞栓術(UAE) (しきゅうどうみゃくそくせんじゅつ)
子宮筋腫に繋がっている動脈を塞ぎ、筋腫に栄養や酸素を送れなくする手術です。術後は次第に筋腫が小さくなり、3ヶ月で半分ほどの大きさになります。
1年経過すると30%ほどになり、手術前に貧血や出血の症状が重かった方は、かなりの改善が見られます。大きな傷が付かず子宮を残したままの手術で、これから出産を考えている方には特に向いています。
手術の方法は太ももからカテーテルを入れ、左右に一本ずつある子宮動脈に達したらゼラチンなどを挿入します。ゼラチンは一ヶ月で吸収され、身体に害はありません。
時間も30分程と短いのですが、術後に子宮収縮があり腹痛が出ます。一週間は吐き気、頭痛、発熱などがあり、痛みに関してはほぼ全員が出ます。また必ずしも効果が出る訳ではなく、大きな筋腫は収縮しない場合もあります。
集束超音波治療(しゅうそくちょうおんぱちりょう)
超音波で筋腫を焼灼させる手術です。手術の時間は大きな筋腫の場合4時間ほどかかります。
メリットは一泊二日で退院し、翌日から普通の生活が出来ることです。しかし現在実施している病院は少なく、希望する場合は病院をよく調べることが必要になります。
以上、子宮を温存したままの手術の一例ですが、筋腫の大きさや症状により、子宮そのものを切除する場合もあります。
腹式単純子宮全摘出術(ふくしきたんじゅんしきゅうぜんてきしゅつじゅつ)
開腹手術により、子宮を摘出します。
腔式単純子宮全摘術(こうしきたんじゅんしきゅうぜんてきじゅつ)
膣側から子宮を摘出します。しかし筋腫の大きさや状態により出来ない場合もあります。
腹腔鏡補助下腔式子宮全摘術(ふくくうきょうほじょかこうしきしきゅうぜんてきじゅつ)
子宮と筋腫の癒着により、子宮外側を腹腔鏡で行い、子宮の摘出は膣側から行います。
このように子宮筋腫の手術といっても目的や技法に種類があり、手術によっては病院が限られている場合もあります。何を一番改善したいのか、そして自分の症状に合った手術は何なのか、医師とよく相談することが大切です。
まとめ
怖いけど知っておきたい!?子宮筋腫の手術
どんな時に子宮筋腫の手術をするの?
子宮筋腫の手術って、どんな種類があるの?