子宮筋腫は女性の4人に1人はなるといわれている良性腫瘍です。子宮筋腫の治療としては大きく分けてホルモン療法と手術の2つの方法がありますが、「 子宮筋腫 の 手術 をすると 妊娠 できなくなるのでは…」と思われる方もいるかもしれません。
しかし筋腫の大きさやできた場所によっては、手術をしてもその後妊娠が可能な場合もあります。
子宮筋腫の手術とその後の妊娠について
子宮筋腫とは
子宮筋腫は子宮の細胞が何らかの原因で増殖することによりできる良性の腫瘍ですが、その種類は大きく分けて3つに分かれます。
最も多くみられるのが「筋層内筋腫」とよばれるもので、その名の通り子宮の筋層で腫瘍が発達していくものです。筋腫が大きくなるにつれて子宮内膜が引き伸ばされるため、1回の月経量が多くなります。そのため、月経過多や貧血などの症状が現れて発見されることが多いです。
次に多いのが「漿膜下筋腫」とよばれるものです。この筋腫の特徴は、子宮の漿膜下に発生し、子宮の外側へ大きくなっていきます。そのため症状としてはなかなか現れにくく、大きくなってから発見されることが多いです。
最後に「粘膜下筋腫」ですが、これは最も頻度は少ないですが、症状が現れやすい種類です。これは子宮の粘膜下に発生し、子宮の内側へ大きくなっていくのが特徴です。そのため月経に関連した症状として現れやすく、妊娠の際の着床の邪魔になるため、妊娠にも影響します。
子宮筋腫の症状
子宮筋腫の一般的な症状としては、月経量が多くなる月経過多や、月経の日数が延長するなど、月経に伴う症状が現れることが多いです。また、これらにより貧血症状が起こったり、月経痛がひどくなるなどの症状が現れることも見られます。
さらに腫瘍が大きくなると、おなかを触った際に腫瘍に触れることや、不正出血などがみられる場合もあります。これらは、子宮筋腫の種類や発生場所などによっても異なるため、これらの症状が見られたときや、「何かおかしい」と思ったときは、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
ホルモン療法
子宮筋腫の治療法としてはホルモン療法と手術が挙げられますが、子宮筋腫が小さければ、ホルモン療法の適応となります。子宮筋腫は女性ホルモンの1つ、「エストロゲン」の影響を受けて大きくなると考えられています。
そのため、ホルモン療法ではエストロゲンの分泌を抑制するGnRHアゴニストとよばれる薬を用いて治療します。この薬を用いることで、筋腫を小さくしたり、月経異常を緩和させたりします。
手術とその後の妊娠
子宮筋腫が発達し、ホルモン療法では治療が難しい場合は手術が行われます。腫瘍が大きい場合や子宮を温存するのが難しい場合、そして挙児希望でない場合は「子宮全摘出術」が行われます。子宮全摘出術は子宮を丸ごと取り除く手術となり、術後は妊娠を望むことはできません。
しかし、挙児希望があり、子宮の温存が可能である場合は子宮筋腫の部分だけを取り除く「子宮筋腫核出術」が行われます。この手術は、悪さをしている筋腫部分のみを取り除くため、子宮は温存されます。そのため、子宮核出術では術後も妊娠することが可能です。
おわりに
子宮筋腫があるからと言って、必ずしも妊娠できないわけではありません。早期発見できれば手術をせずホルモン療法で治療することも可能ですし、手術をすることになっても子宮が温存できれば、妊娠は可能なのです。
そのため、まずは異常を感じたら早めに医療機関を受診し、医師と相談して自分に合った治療法を選択することが大切です。
まとめ
子宮筋腫の手術とその後の妊娠について
子宮筋腫とは
子宮筋腫の症状
ホルモン療法
手術とその後の妊娠
おわりに