女性なら、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)という病名はよく耳にします。定期的な通院が必要だったりし、煩わしいと思いがちですが、現在はお薬で対処できたり、手術方法を希望により選べる場合もあります。月経過多などの不調や女性特有の 症状 に気づいたら、婦人科での受診をおすすめします。実はかなり身近な病気と言えますので、前向きに踏み出してみましょう。
こんな症状が続いたら、子宮筋腫かも。
女性なら誰もがなっておかしくない身近な病気。
子宮筋腫とは
筋腫とは筋肉から発生する腫瘍、いわゆるこぶのことです。子宮筋腫は主に子宮の内部や周辺に、ホルモン(エストロゲン)の影響で筋腫が発達してしまう病気で、一般的に良性と考えられています。しかし、成人女性の4人に1人がなる、または持っている(個人差があり、持っていても成長しない場合があります)と言われていますので、女性の皆様に注意が必要な病気と言えるのです。
子宮筋腫の種類と伴う症状
子宮筋腫の種類は主に3つあります。
■筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
子宮の厚い筋肉の中にできる筋腫で、最も症例が多いと考えられています。ミリ単位の小さいものの場合経過観察だけのことも多いですが、大きくなりますと、不正出血や早産、流産を引き起こすこともあります。現れ方として小さな筋腫が同時に複数できる場合や、その中のいくつかだけが大きくなる場合などもあり、患者様によって症状は実に様々です。
■粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
子宮の内側に向かって筋腫ができるため、不調症状が強く表れやすいのが特徴です。筋腫が小さいうちから出血が続いたり、月経時の出血量も増えたりしやすく、また受精卵の着床率がさがるため不妊の原因になりやすいとも言われています。症例率は低めです。
■漿膜化筋腫(しょうまくかきんしゅ)
子宮を覆っている漿膜(しょうまく)という個所にできる筋腫で、子宮筋腫のうちの約2割がこの筋腫と言われています。比較的自覚症状が少ないため、気づきにくいので注意が必要です。子宮の外側に向かって成長する際に子宮から突出してしまうこともあり、膀胱や直腸など他臓器を圧迫した場合には、頻尿や便秘などの症状につながることもあります。
一般的に気づきやすい不調の症状は
月経過多>月経時に出血量が多く、また期間も長く(目安として10日以上)、レバー状の塊がでることもあります。また月経周期が短くなったり、月経時以外に出血することもあります。
月経困難症(非常に重い月経痛)>子宮筋腫があると内部の筋肉が収縮しにくくなるため、さらにもっと収縮しようとしてしまい、月経痛が非常に重くなると考えられています。そして月経時に腰や下腹部に鈍痛、疼痛などがあること、また月経時の出血量や期間が一定しないこと、めまい、吐き気、下痢をするなどの症状が特徴的です。
貧血 > 出血が多量に続くことなどがあった場合、貧血に注意が必要です。血液検査で確認できますし、鉄剤の使用などで症状に合わせて対応できます。
頻尿 > 1日に何度もトイレに行きたくなる症状。筋腫があまりに大きいと、尿管を圧迫するため腎臓から膀胱に尿が流れにくくなり、排尿時に痛みを感じたり腎臓を悪くしてしまうこともあります。
腰痛 > 筋腫が大きくなり骨盤の神経が圧迫されて、腰痛が起こるケースがあります。月経が終わっても腰痛が続くような場合、子宮筋腫を考えてみましょう。腰痛と思い整形外科にかかったときに、子宮筋腫と診断されることもまれにあるようです。
便秘 > 便秘がちになる、または排便時に下腹部に痛みを感じることがある場合。筋腫が大きいと直腸を圧迫しますので便秘がおこるのですが、その時点で筋腫はかなり大きいと予想されますので、安易に便秘と決めず、ほかに合わせて気になる症状はないかなど、注意してみましょう。
不正出血 > 月経時以外にも少量の出血が続いたり、水のようなおりものが続いたりすることがあります。
不妊 > 筋腫が邪魔をして、妊娠(着床)しにくくなる場合がある、また安定して長期間の妊娠の状態を保てない、といった報告があります。
自分の場合の子宮筋腫を考えていこう
一口に子宮筋腫といっても、症状は実に様々なことがわかります。また発生する箇所も多様ですし、筋腫の数や大きさの違いなどで、症状・不調は軽度なものから重度なものまで分類されます。症状に少しでも思い当たるものがありましたら、婦人科を受診しましょう。また今現在症状がなくても、早期発見のために婦人科の定期検診もおすすめします。
健康診断で貧血を指摘されて気づく方や、お子様を希望されて不妊症の治療に通う中で気づかれる方もいらっしゃいます。子宮は沈黙の臓器とも言われ、検査してみると筋腫が発見されたり、進行していることもあるのです。
パソコンやスマートフォン、本などで情報をお調べになるのも良いですし、また意外と頼りになるのがご友人や周囲の方々の身近なネットワークです。そして不安なことは早めに専門家に相談し、情報を自ら有効活用していく姿勢も、とてもプラスになるでしょう。
今は患者様の負担を減らす治療法やお薬も多数出ています。敏感な体からのシグナルや症状に応えていくことは、ご自身のこれからのライフプランをも豊かなものにできると思います。
まとめ
こんな症状が続いたら、子宮筋腫かも。女性なら誰もがなっておかしくない身近な病気。子宮筋腫とは
子宮筋腫の種類と伴う症状
一般的に気づきやすい不調の症状は
自分の場合の子宮筋腫を考えていこう