成人女性の3人に1人は 子宮筋腫 があると言われています。子宮筋腫は良性の筋腫ですので命に関わる重大な病気ではありませんが、その 大きさ と症状は様々で、日常生活が困難になり手術を必要とする場合があります。子宮筋腫の大きさと、その問題とはどのようなものなのでしょうか。
問題のある子宮筋腫って、どれくらいの大きさ?
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子宮筋腫って、どれくらい大きくなるの?
小さい子宮筋腫は顕微鏡範囲になりますが、大きい筋腫は世界最大で直径50㎝超(約13㎏)と言われています。流石に50㎝程にまで成長すると、超音波で見るまでもなく、お腹周りなど外観もかなり変化が出たのではないでしょうか。
一般的に子宮筋腫の正常範囲は直径約7㎝で、10㎝を超えると手術を考えた方がよいと言われています。
どうして子宮筋腫の大きさって変わるの?
子宮筋腫が小さな子供には殆どなく成人女性に多くみられるのは、子宮筋腫の成長に女性ホルモンが大きく関わるのが原因です。女性ホルモンが分泌されるようになると胎児の頃からあった子宮筋腫の芽が刺激され、成長していくとみられています。
ホルモンの分泌がピークを迎えると子宮筋腫の発生率・成長率もピークになり、閉経後は子宮筋腫も小さくなっていきます。症状が比較的重くなく大きさも手術かギリギリの場合は、閉経を待つケースも少なくありません。
しかし全ての人が当てはまる訳ではなく、閉経後に子宮筋腫が成長し、止む無く手術をせざるを得ないケースもあります。子宮筋腫の成長は非常に個人差があるのも特徴です。
子宮筋腫が大きいと、何が問題?
では、なぜ子宮筋腫が大きくなると手術をしなければいけないのでしょうか。子宮筋腫が大きくなると不正出血、腹痛、腰痛、頻尿、貧血など、様々な症状が出てきます。貧血は子宮だけの問題ではなくなり、他の臓器にも影響を及ぼします。
また出産を考えている女性にとって子宮筋腫は不妊の原因の一つにもなっています。妊娠した場合は流産や早産にも繋がります。
先の世界最大の子宮筋腫のケースの場合、子宮に多くの血管が癒着し、手術の時間は4時間を超え、命に関わる非常に難しい内容になってしまいました。もちろん一般的には50㎝を超えるまで何も症状も出ず受診しない女性はいないと思われますので、ここまでは成長しませんが、大きな子宮筋腫を放っておく事はとても危険な事に繋がります。
子宮筋腫が何個もあるって言われたけど、これも問題なの?
子宮筋腫がある場合、医師から「筋腫が3個ありますね」など、複数筋腫があると指摘される場合があります。これは決して珍しい事ではなく、子宮筋腫は複数あっても、その大きさが数㎝と小さい場合は全く問題ありません。
医師から子宮筋腫を指摘され、一番気を付けなければいけないのは子宮筋腫の成長です。一般的に子宮筋腫があるだけで他の症状がない場合、一年後の経過観察になるでしょう。
しかしその一年後の検診で筋腫が大きく成長していたら、要注意です。定期検診の間隔を3ヶ月後などに短くし、筋腫の成長と症状により手術を考えます。
その逆に、7㎝を超える筋腫があっても、大きさが何年も変わらず症状も出ない場合は、定期的な経過観察だけで緊急性はないとみて良いでしょう。
子宮筋腫を大きくしない方法ってあるの?
子宮筋腫が大きくても、比較的症状の重くない方、妊娠中、閉経近くの場合はホルモン治療をします。これは身体を閉経と同じ状態にし、排卵と生理を止めるGn-RHアナログ療法といわれるものです。
しかし骨粗鬆症になりやすい副作用があり、長期は使えません。数ヶ月使用し、再度子宮筋腫が大きくなったら半年休養後、再び治療を再開します。またホルモン治療は子宮筋腫の成長を一時的に止めるもので、筋腫をなくする事はできません。
このように子宮筋腫は大きさや成長に個人差がありますので、一番重要な事は経過観察をしっかり行う事です。症状が出ていない方も定期的に検診を受け、子宮筋腫と上手に付き合いましょう。
まとめ
問題のある子宮筋腫って、どれくらいの大きさ?
子宮筋腫って、どれくらい大きくなるの?
どうして子宮筋腫の大きさって変わるの?
子宮筋腫が大きいと、何が問題?
子宮筋腫が何個もあるって言われたけど、これも問題なの?
子宮筋腫を大きくしない方法ってあるの?