女性の4人に1人はなると言われる 子宮筋腫 (しきゅうきんしゅ)。正確には、筋腫はほとんどの女性にあるのですが、症状、特に 痛み が現れるか否か、によって対応が異なってくるのが実情です。
人それぞれで、実に様々な痛みや症状がありますので、気になったら早めに専門医に相談しましょう。
子宮筋腫は、痛みがでたら要注意
子宮筋腫とは
筋腫とは筋肉から発生する腫瘍、いわゆるこぶのことです。子宮筋腫は主に子宮の内部や周辺に、ホルモン(エストロゲン)の影響で筋腫が発達してしまう病気で、一般的に良性と考えられています。
しかし、大きくなると他の臓器を圧迫して痛みが出たり、便秘や頻尿になったり、最終的には子宮を全摘出する場合などもありえますので、女性の皆様に注意が必要な病気と言えます。
子宮筋腫の種類
子宮筋腫の種類は主に3つあります。
筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)
子宮の平滑筋という筋肉内にできる筋腫で、一番症例が多いものです。約1~2センチ以下の小さいものの場合経過観察だけのことも多いですが、大きくなると、不正出血や不妊、流産などの原因になることもあります。
粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)
子宮の内側を覆う粘膜の下にでき、内側に向かって筋腫ができるため、筋腫が小さくても不調症状が重く表れやすいタイプです。
筋腫が小さいうちから大量出血が続いたり、生理時の経血量も増えやすく、また受精卵の着床率がさがってしまうため不妊の原因につながることもあります。手術が必要となるケースも多いです。
漿膜化筋腫(しょうまくかきんしゅ)
子宮の外側を覆っている漿膜(しょうまく)という粘膜の下にできる筋腫で、子宮の外側に向かって筋腫が大きくなります。他の筋腫と比べて自覚症状が出にくく、気づきにくいと言われています。
しかし子宮から突出してしまうこともあり、膀胱や直腸などを圧迫した場合には下腹部痛や腰痛などの圧迫症状がおきることや、また筋腫がねじれた場合激痛がおきます。
痛みを伴う場合
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、必ずしも治療が必要ではないのですが、その症状の出方によって対処法が決まっていくことがほとんどです。痛み(特に重いもの)がでる場合は、早めに専門医を訪ねた方が良いと言えます。
生理痛
生理痛は、もともとは薬を飲むほどの痛みではないとされています。ですから、女性は生理痛と言えば売薬などを安易に飲んで痛みを一過性的に沈めてしまいますが、本当は薬を飲まないとならないほどの痛みは、体からの危険信号と言えます。
子宮筋腫があると内部の筋肉が収縮活動をしにくくなってしまうため、生理痛が悪化すると考えられています。毎月の体調の変化や気づいた点などを書き留めておくようにし、早めの専門医への受診をお勧めします。
下腹部の痛み
筋腫が大きくなり、直腸や膀胱を圧迫した場合、下腹部痛を感じることがあります。
排尿時の痛み
筋腫がかなり増大すると、尿管を圧迫し尿が流れにくくなり、排尿時に痛みを感じることや頻尿になる場合があります。
腰痛
筋腫が大きくなると骨盤の神経が刺激されるため、腰痛を引き起こすこともあります。生理が終わっても腰痛が続くような場合、子宮筋腫を考えます。腰痛と思い整形外科にかかって、子宮筋腫と診断されることもまれにあります。
他にも、筋腫のできる場所などにより、背骨や背中全体が痛い、またはしびれ感、腹痛などもありえます。自分では判断できないケースがほとんどですので、注意してください。
治療法として
筋腫が見つかった場合、はじめのころは経過観察だけということも多いですが、筋腫が大きくなったり、痛みを伴う場合は薬物療法または手術療法があります。
薬物療法
筋腫が原因になっている痛みなどの症状を改善するための薬物療法と、一時的に筋腫自体の成長を抑えることを目的とする薬物療法があります。
手術療法
子宮全摘出手術の他に、筋腫だけを取り除く筋腫核手術、また最近は、子宮動脈塞栓術や集束超音波治療など手術しないで治療していく方法もあります。
沈黙の臓器と言われる子宮の病気だから
子宮は沈黙の臓器とも言われ、検査してみると筋腫が発見されたり、進行していることもあるりえます。また個人差があり、できた場所や、筋腫の大きさ、また痛みの状態などによって体への負担度合も異なります。
痛みというのは体からのサインです。売薬などに頼って一時的な対応をせず、早めに専門医などに相談し、適切な対応を心がけてください。そして、日ごろから早期発見のための婦人科定期検診なども利用したいものです。
まとめ
子宮筋腫は、痛みがでたら要注意
子宮筋腫とは
子宮筋腫の種類
痛みを伴う場合
治療法として
沈黙の臓器と言われる子宮の病気だから