癌のステージとは癌の大きさやリンパ節への転移の有無、他臓器への転移の有無などによって分類される癌の進行の度合いを示すものです。通常ステージⅠ~Ⅳで示されますが、子宮頸がんに関しては各ステージの中でさらに細分化されているようです。
子宮頸がん の ステージ についてご紹介いたします。
子宮頸がんのステージは4つ以上というのは本当ですか
子宮頸がんステージⅠとは
子宮頸がんのステージⅠは「癌が子宮頸部にとどまっていて他の部位に広がっていない」段階です。
ステージⅠは肉眼では病変を確認できない、組織検査をして組織学的にのみ診断可能なⅠA期と肉眼で病変が確認できる、または確認できなくてもⅠA期を超える浸潤がみられるⅠB期に分類されています。
ⅠA期はさらに深さが5ミリ以内で広がりが7ミリを超えないⅠA1と深さが3~5ミリ以内で広がりが7ミリを超えないⅠA2に分類されています。
ⅠB期はさらに病変が4センチ以内のⅠB1と4センチ以上のⅠB2に分類されています。
Ⅰ期はいずれも手術療法が適応になり、円錐切除術や単純子宮全摘出手術、準広汎子宮全摘手術などが行われます。ⅠA1の場合には円錐切除術を施すことで子宮が温存できる可能性があります。
子宮頸がんステージⅡとは
子宮頸がんのステージⅡは「癌が子宮頸部以外にも広がっているものの骨盤壁または膣壁の3分の1に達していない」段階です。
癌が膣壁には及んでいるものの子宮頸部周辺には広がっていないⅡA期と癌が子宮頸部の周辺まで広がっているものの骨盤壁までは達していないⅡB期に分類されています。
2A期はさらに病変が4センチ以内のⅡA1と4センチ以上のⅡA2に分類されています。
Ⅱ期の治療は手術と術後の化学療法になります。手術後再発のリスクを確認し、同時化学放射線療法もしくは単独放射線療法が施されます。
子宮頸がんステージⅢとは
子宮頸がんのステージⅢはステージⅡより進行したもので、手術することが難しくなってきます。抗がん剤で事前に癌を小さくしておいて手術に臨むこともありますが、標準的には同時化学放射線療法と言って化学療法と放射線の併用の治療となることが多いようです。
ステージⅢは癌が膣壁の下3分の1に達しているものの子宮頸部の広がりが骨盤壁には達していないⅢA期と癌が骨盤壁まで達している、または腎臓と膀胱をつなぐ尿管が癌に圧迫されることで腎機能に障害が出てきているⅢB期に分類されています。
子宮頸がんステージⅣとは
子宮頸がんステージⅣは癌が膀胱や直腸の粘膜に広がっているⅣA期と癌が小骨盤腔を超えて転移しているⅣB期に分類されています。
ステージⅣになると積極的な治療は難しくなります。対症療法や延命を目的とした化学療法が主な治療となり、緩和ケアも視野に入ってきます。
ステージ別5年生存率
癌について調べていると5年生存率という言葉がよく使われていることに気づきます。これは「癌の治療開始から5年後生存している人の割合」のことです。再発せずに生存している場合も再発しても生存している場合もこの数字に含まれてきます。
よく間違えられるように5年生存率が癌の完治の可能性の割合を示しているわけではありません。
ただし、多くの癌は治療によって消失して5年経過後までに再発しない場合を治癒とみなしています。治療で取り残された癌はほとんど5年以内に再発し、それ以降はほとんど再発しないことから5年生存率の考え方がとられているのです。
子宮頸がんの5年生存率は、ステージⅠで90.4パーセント、ステージⅡで70.1パーセント、ステージⅢで49.4パーセント、ステージⅣで20.9パーセントとなっています。
どのような癌でもどのようなステージで見つかったとしても5年生存の可能性が全くないなどということはありません。いたずらに数字を気にすることなく希望を持つことが免疫力アップのためにも大切になってきます。
子宮頸がんも他の癌と同様に早期発見が治癒の確率を上げます。子宮頸がんは初期には自覚症状に乏しいとされていて、自分で早期に気づくことは難しいようです。それだけに定期的に検診を受けることが重要な意味をもってきます。
まとめ
子宮頸がんのステージは4つ以上というのは本当ですか
子宮頸がんステージⅠとは
子宮頸がんステージⅡとは
子宮頸がんステージⅢとは
子宮頸がんステージⅣとは
ステージ別5年生存率