子宮がん全体での年間約17,300人中、約9,200人と5番目に多い病気となっている子宮頸がん。症状が無いため気が付きにくい病気として知られるこの子宮頸がんですが、病院に行った時にはかなり進行していることも多いようです。しかし、この 子宮頸がん 、7割の人が 治療 によって病気を克服しています。
子宮頸がんと宣告されても、諦めずに自分のステージと合った治療法を見つけていくことが大切です。
発見されにくい病気、子宮頸がん。その治療法は?
子宮頸がんの治療方法
手術治療
- 円錐切除術
子宮頸部にできたがん及び子宮頸部の一部を円錐状、コーンのような形に切り取る手術法。レーザーや高周波メスでも手術を行うことがあります。この場合妊娠の可能性が残ります。
- 単純子宮摘出術
子宮頸部と子宮をすべて摘出する手術です。妊娠が難しくなりますが、再発の可能性が減ります。
- 広汎子宮全摘出術
がんが 、ステージIb〜IIのある程度進行している場合には、子宮・膣の上側・卵巣・卵管・リンパ節を広い範囲切除します。妊娠の可能性はなくなりますが、再発の可能性を最小限にする事ができます。
- 骨盤内臓全摘術
子宮頸部だけでなく、がんが周りの下部結腸、直腸や膀胱にも拡がっていると、子宮や膣と同じく切除しなければいけません。その場合、人工肛門や回腸導管などの手術を行います。
放射線治療
放射線治療は主にがんの浸潤度が高い時に行われます。X線やガンマ線、電子線などでがん細胞を壊しがんを小さくします。この場合手術とは違い、体にメスを入れることなく治療します。
また、抗癌剤治療と併用した(同時化学放射線治療)場合は、特に効果的となっています。
放射線療法の種類
- 外部照射(体外から放射線を照射する)
子宮頸がんの場合、骨盤内の広範囲の臓器や組織に照射 - 膣内照射(がん細胞をピンポイントに攻撃)
子宮頸がんの場合、器具を膣内より挿入し体内から、がん組織へ放射線を照射
子宮頸がんの放射線療法は、この外部照射と、膣内照射両方の治療法を用います。
抗がん剤治療
子宮頸がんのメインの治療法は、手術と放射線になりますが、 がんの進行を抑えるために抗がん剤を使用します。手術ができない場合は抗癌剤で小さくしてから手術をしたり、また手術後の補助療法、再発した場合などに使います。
抗がん剤治療は正常な細胞も傷つけてしまうため、副作用が出る可能性が高くなります。髪の毛が抜けたり、口内炎や下痢、白血球の減少が起こったりもします。肝臓や腎臓にも影響をおよぼします。
凍結療法
がん細胞を液体冷却材を使用して凍らせて死滅させます。
緩和医療
つらい痛みや苦しい治療を緩和し、メンタルをサポートしていくケア。
子宮頸がん進行クラス・ステージとその治療法
子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部から発生し少しずつ深く浸潤し、その後リンパ節や臓器にも転移していきます。
- Class I(正常範囲)
- ClassⅡ(異形性の可能性)
- Class Ⅲa , ClassⅢb(HPV感染や異形成)
- Class Ⅳ(上皮内がんの可能性が高い)
- Class Ⅴ(上皮内・浸潤がん)
※Class ⅣとClass Ⅴががんになります。
ステージ0〜 I(Class Ⅳ)
初期のがん
最も浅い上皮内のみに認められるがん。
治療法:凍結療法 手術治療(円錐切除、 単純子宮摘出術)
ステージI(Class Ⅴ)
- ステージla
間質浸潤の深さが3mm以内で、拡がりが7mmを超えないもの。または、間質浸潤の深さが3mmを超えるが5mm以内で、拡がりが7mmを超えないもの。
治療法:手術治療(子宮頸部の円錐切除術、単純子宮摘手術、 広汎子宮全摘手術と術後放射線治療)
- ステージlb
子宮頸部に限局として認められ、他に広がっていない。またはステージIa を越えるもの。
治療法:手術治療(広汎子宮全摘手術)、 放射線療法(腔内照射と外部照射の併用)
ステージⅡ(Class Ⅴ)
がんが子宮頸部を越えて広がっているが、 膣壁の下三分の一または、骨盤壁に達していない。
治療法 :放射線療法(腔内照射と外部照射の併用) 手術治療(広汎子宮全摘出術)と術後放射線治療
ステージⅢ(Class Ⅴ)
がんが子宮頸部を超え骨盤壁まで広がっているもの。
治療法:同時化学放射線療法(抗がん剤治療と放射線治療を同時に行う方法)
ステージⅣ(Class Ⅴ)
がんが小骨盤腔を越えて拡がるか、膀胱・直腸・肺・肝臓などの他の臓器や組織に転移しているもの。
治療法:抗がん剤治療 転移病巣の治療(手術療法、放射線療法、化学療法) 緩和医療
子宮頸がんを発症した場合の5年生存率は、ステージIで90%以上、ステージⅢで50%位、ステージⅣでは20%以上あります。
通常のがんより治りやすい傾向にありますので、諦めずに治療を続けることが大切です。
まとめ
発見されにくい病気、子宮頸がん。その治療法は?
子宮頸がんの治療方法
子宮頸がん進行クラス・ステージとその治療法