子宮ガン検診 を受けた後、多くの女性が 出血 の経験をして、体に異常があるのではないかと不安をいだくことが多いようです。
出血は子宮頸ガン検診でも子宮体ガン検診でもみられるもののようですが、心配する必要はないのでしょうか。子宮ガン検診の出血についてご紹介いたします。
子宮ガン検診で出血しても検診をうけるべき?
子宮ガン検診後の出血
子宮ガン検診の後に出血があると「ガンがあってそこから出血しているのではないか」などと過剰に心配する方もあるようです。
確かに子宮頸ガン検診でも子宮体ガン検診でも検査後の出血はある程度みられるもののようですが、必ずしも体の異常には結びつくものではないと考えられています。
子宮頸ガン検診では子宮頸部の細胞を、子宮体ガン検診では子宮体部の内膜の細胞を専用の器具や綿棒でこすり取って検査をするためにどうしても出血することが多くなります。
特に子宮体部の内膜の細胞は専用のブラシ状の器具を使用するために専用のヘラ状の器具や綿棒で細胞の表面を軽くなでるように採取する子宮頸部の検診より出血が起こりやすくなります。
一般的には、おりものに血が混じる程度の出血であれば心配する必要がないと言われています。
ただし、出血量が非常に多い場合や数週間出血が止まらないような場合には、検査の結果が出る前であっても受診するようにしましょう。
目安としては、子宮頸ガン検診後では少量のにじむような出血が2~3日、子宮体ガン検診後では月経のような出血が4~5日程度続くことはあると考えてよいでしょう。
出血が止まるまでは湯船につかることは止めて、シャワー浴にしてください。出血がどんどん多くなったり腹痛や発熱を伴うような場合には早急に医療機関を受診する必要があります。
出血量の増える妊娠期
妊娠の週数が進んでいくにつれて、子宮頸部は肥大して柔らかくなると言われています。そのためにほんの小さな刺激を受けても思いがけない出血量になることがあります。
妊娠が確認される初診時に子宮頸ガン検診が行われるのにはこうした大出血を避けるという意味もあります。
子宮ガン検診と生理の出血
上述のように子宮ガン検診ではいずれの場合も子宮の細胞をこすり取ってきますので、生理直前から生理直後の子宮が柔らかく充血している時期に検査をすると、子宮ガン検診の刺激で検査後の出血量が多くなってしまう可能性があります。
子宮ガン検診の直後に生理が始まった場合は、どこまでが検査の影響なのかわかりにくいかもしれません。
また、上述のように子宮が充血している時期に子宮ガン検診を受けることによって、生理の出血量が増えて期間も長引くというようなこともあります。いずれにしても出血が2週間以上続くことを受診の目安にするとよいかもしれません。
子宮ガン検診の勧め
子宮頸ガンは検診によって進行ガンを防ぎ、死亡率を下げる効果があることが実証されています。そのため多くの先進国で子宮頸部細胞診による検診が行われています。子宮頸ガンには粘膜表面にとどまる上皮内ガンと粘膜より深く広がる浸潤ガンがあります。
50歳以上の中高年層では患者数が減少しているにもかかわらず、20~29歳の年代では急速に患者数が増えてきています。
国立がん研究センターのがん情報サービスによると子宮頸ガン検診を受けた方の1%が精密検査が必要になり、その中からガンが発見されるのがおおよそ10%弱という高率だと言います。
しかも発見されたガンの60%以上が粘膜の表面にとどまる上皮内ガンなどのいわゆるごく早期のガンだと言うのです。
20~29歳の若い年代で子宮頸ガンが増えてきているものの、子宮頸ガン検診でガンを早期に見つけることができれば、子宮を温存し、妊娠・出産を可能にするということができます。子宮頸ガン検診は本人の命と次世代の命を守る検診であると言うことができるのです。
子宮体ガン検診は上述の子宮頸ガン検診ほど細胞診によって死亡を減らせるかどうかが明確になっていません。
しかし、子宮体ガンは早期の段階から不正出血が起こりやすく、不正出血という症状で90%が発見されると言います。つまり、不正出血を見過ごさず、直ちに受診することが早期発見につながると言ってよいでしょう。
20歳を過ぎたら2年に1度の子宮頸ガン検診を受け、不正出血があれば、ためらわず、直ちに子宮体ガンの検診を含めた受診をするということを強くお勧めいたします。
まとめ
子宮ガン検診で出血しても検診を受けるべき
子宮ガン検診後の出血
出血量の増える妊娠期
子宮ガン検診と生理の出血
子宮ガン検診の勧め