食べることへの恐怖や痩せることへの異常な執着から極度に痩せてしまったり、食べても食べても満たされないという、食べることに関する障害のことを摂食障害といいます。
最近は、 摂食障害 であったことを告白する 芸能人 もおり、心だけでなく身体にも影響を及ぼす摂食障害のつらさを語っています。さらに、治療も簡単にはいきません。だからこそ、周囲の支えが必要なのです。
芸能人も語る、つらい摂食障害を克服するために必要なもの
食べることを拒否する神経性無食欲症とは
一般的には拒食症と呼ばれることのある神経性無食欲症は、食事を拒否することにより極端に痩せ細ってしまうものです。その痩せ方は異常であり、トレーニングなどによって健康的に痩せた身体とは明らかに異なり、頬はこけてしまい、骨がむき出しになったような痩せ方が目立ちます。
そのため、テレビに映る芸能人の痩せ方をみて神経性無食欲症ではないかと噂されることもあるほどです。
神経性無食欲症を発症するきっかけは、容姿に対して他者の感覚との間にズレがあり、自分自身に自信がないためダイエットを繰り返したり、社会的なストレスなどが原因となるケースが多くあります。
その結果、痩せることに対して異常なまでにこだわるようになったり、わずかな体重の変化や食べること自体に恐怖を覚え、食べては吐くことを繰り返したり、食べること自体をやめてしまうのです。中には下剤を過剰摂取して排泄しようとする方もいます。
また、神経性無食欲症の方は、極端に痩せているにも関わらず、自分が痩せているという認識がないという特徴があります。
過剰に食べ過ぎる神経性大食症とは
神経性無食欲症に対して、食べ物を過剰摂取する神経性大食症というものがあり、一般的には過食症といわれています。
神経性大食症は単なる食べ過ぎという状態とは異なり、食欲を自分でコントロールできなくなり、満腹感すらなくなってしまった状態です。そのため、十分な時間をあけなくても数時間足らずで過食を繰り返すという異常な食べ方がみられます。
中には、食べた後に罪悪感にかられ自分を責めたり、太るのを避けるために吐くという行為を繰り返す過食嘔吐という場合もあります。
また、外では普通の食事をしたあと、大量に食べ物を購入して自宅などで隠れて食べていたり、神経性無食欲症のような痩せ方ではなく、少し細い程度であるケースも多いため、周囲が気づきにくいという特徴があります。
身体にあらわれる症状
神経性無食欲症や神経性大食症は、摂食障害といわれます。何もしないまま自然に治すことは難しく、次第に身体にもさまざまな影響があらわれてきます。
低体重の場合、極度の栄養失調となり、月経の乱れや貧血、低血圧、低血糖、便秘、不眠、骨粗しょう症、免疫力の低下などの症状があらわれてきます。活動するために必要なエネルギーが不足するため、動きが鈍くなったり最悪の場合は自分で動くことすらできなくなってしまいます。
また、嘔吐を繰り返すケースでは、胃酸により食道が炎症をおこしたり、歯が溶けて虫歯ができるなどの症状もみられます。
過食により、体重が増加している場合は、高血圧、糖尿病などの病気をはじて、脳や心臓に負担がかかってその他の重大な病気を招くおそれがあります。
さらに、摂食障害の原因となった心の病気が悪化してうつ病や自傷行為へと悪化してしまう危険もあります。そのため、食事に関するケアだけでなく、心と身体の状態をみながら適切な治療を受けていく必要があります。
周囲の支えが不可欠
摂食障害を克服するためには、必ず周囲の支えが必要です。過去に摂食障害であったことを告白し、現在も活躍している芸能人は意外と多くいます。そして、みな家族や友人など周囲の人に支えられ、少しずつ治療していったことを語っています。
摂食障害の治療は、心理カウンセリングや向精神薬を使った薬物療法、食べるというトレーニングを主におこなう行動療法などを主体に、本人に一番合う治療をおこないます。
それに加え、身体面の異常がないかを同時に診ていき、身体の状態や症状が強いときには入院して治療をおこなう場合もあります。そのため、精神科標榜するような入院施設で治療をおこなう場合が多いでしょう。
このような治療は、摂食障害の方にとって地獄のようなものであり、精神的にも身体的にもつらいものなのです。治したいという思いがあっても自分ではどうすることもできない食べることへの恐怖や食べたいという欲を抑えていかなければならないのです。
だからこそ、一人で闘うのではなく、医師や家族、友人らの支えが何よりも重要なのです。
まとめ
芸能人も語る、つらい摂食障害を克服するために必要なもの
食べることを拒否する神経性無食欲症とは
過剰に食べ過ぎる神経性大食症とは
身体にあらわれる症状
周囲の支えが不可欠