摂食障害は、拒食症と過食症に分けられます。ダイエットをしているからといって拒食症とは言えません。また、やけ食いと過食症とは区別がつきにくいです。異常であるかどうかが分かりにくい「心の病気」といえます。摂食障害は、症状をコントロールできず、本人にとってつらい病気です。
今回は、 摂食障害 の チェック を行い、自分の体と心の状態を知ろうをテーマにお伝えします。
摂食障害のチェックを行い、自分の体と心の状態を知ろう
摂食障害(拒食症と過食症)とは
拒食症は、食べないで痩せていくタイプの「過食を伴わない拒食症」と過食嘔吐・下剤乱用を伴うタイプの「過食を伴う拒食症」に分けられます。
過食症は、嘔吐・下剤乱用を伴うタイプの「排泄型」と伴わないタイプの「非排泄型」に分けられます。
拒食症の症状と治療
拒食症は、体重増加恐怖症ともいわれ、不安をなんとかしようとするものです。体重だけは、食べなければ体重が落ちていき、努力が報われて安心感と達成感を与えてくれます。
しかし、拒食は、体重へのこだわりが自分を苦しめるようになり、体重が少しくらい増えることは問題ないと分かっていても、痩せている自分というものに縛られ、現状を変化させることに恐怖しか感じられなくなります。
拒食症の治療は、拒食は不安の病なので、安心すると治療が前進します。「過食を伴わない拒食症」の人の場合では、安心しただけで治る人もいます。
「過食を伴う拒食症」の人の場合には、対人関係療法や認知行動療法を活用していく必要があります。
体重減少が著しく、生命の危険があるような痩せでは、入院治療が必要です。信頼できる治療関係の中で、栄養状態を改善していかないと、不安が極度に刺激され、病気がこじれることになります。
過食症の症状と治療
過食症は、対人関係へのモヤモヤした気持ちから起こることが多いことから、対人関係が過食へと関わっているかを見ていく治療をします。まずは、対人関係に自信をもたせ、そのあとから過食症状も良くなる順番で治療をすすめます。
認知行動療法は、食生活日誌をつけ、どのような考え方で過食へとつながっているかを確認してから、過食への客観的な見方ができるようにする治療法です。
薬物療法(抗うつ薬)は、うつがひどい人やこだわりが強い人にはプラスになりますが、抗うつ薬自体には過食症という病気全体を治す力はありません。
拒食症のチェック項目
- だんだん体重が減っていくと、気分が爽快になる。
- 「痩せている」と言われても信じられず、「太っている」と思い込む。
- 食事をしたあと「太るのではないか」と恐怖心が襲ってくる。
- カロリーや炭水化物の多い食べ物を避ける。
- カロリーを消費して痩せようと、たえず体を動かし運動をしている。
- 栄養補給のための点滴を受けたくない。
過食症のチェック項目
- ストレスがかかると、たくさん食べたくなる。
- 食べ物のことが頭からはなれず、仕事など大事なことが考えられない。
- 食べたあと、自己嫌悪な気持ちになり、ふさぎこむ。
- 食べたあと、吐けないと「太る」恐怖心に悩まされる。
- 言いたいことがうまく言えず、モヤモヤした気持ちを持ち続けている。
- 「自分がきらい」「良いところはひとつもない」と自己否定感が強い。
体と心を健康な状態に戻すために行うこと
拒食症・過食症のチェック項目に当てはまる項目が多かったならば、体を健康な状態に戻すために、規則的な食事を摂ります。体重増加への不安の対処として、体重計に頻繁に乗らないようにします。対人関係や社会生活でのストレスを減らします。
100%か0%かという極端な見方ではなく、連続的な見方をするように心がけます。これらの食事、対人関係、考え方で回復が難しいと感じたら、早めに心療内科や精神科を受診し、信頼できる医師やカウンセラーと一緒にあきらめずに治療を続けることが大切です。
まとめ
摂食障害のチェックを行い、自分の心の状態を知ろう
摂食障害(拒食症と過食症)とは
拒食症の症状と治療
過食症の症状と治療
拒食症のチェック項目
過食症のチェック項目
体と心を健康な状態に戻すために行うこと