ほんの10年ほど前までは、生理痛など起こりえないなどと口にする男性医師もいるほど、生理痛については正しく理解されていませんでした。しかし、実際には約9割もの女性たちが毎月 生理痛 の 症状 に悩まされている、と言われています。
ひどい生理痛。その症状とは?
1つには決まらない生理痛のメカニズム
女性には毎月起こる生理ですが、なんと9割以上の女性が生理に伴う痛みの症状に不快感を感じたことがあると言われています。この生理痛が起こるメカニズムは複雑で、様々な要因が絡み合っているため個人差も大きく、なかなかはっきりしたことがわかりませんでした。
現在でこそ男性を含む多くの人が生理痛に対する理解を示し、男性の約9割が「生理痛がひどい時には仕事を休むのは仕方ない」としていますが、ほんの10年ほど前は医師ですら「生理痛は幻想である」などという人もいたほどでした。
生理痛が起こる主な原因は、子宮内膜が剥がれる時に起こる炎症、子宮内膜を剥がすための子宮の収縮運動、そして、それらに伴うホルモンバランスの変化と、それによって体内の血の巡りが悪くなってしまうことなどがあげられます。
個人差の大きい生理痛
ホルモンバランスや体内の血の巡りは生理に限らず、個人の体質や生理前後での生活習慣や心身のストレスの状態にも大きく関わってくる結果、個人間でその症状には大きな開きが出てしまいます。
痛みの強さ1つとっても、歩くどころか動くことすらできず寝込んでしまうほど痛い人から、ほんの少し鈍い痛みがある、もしくは少し痛い程度という人まで様々です。
また、期間も色々で、生理一週間前より痛みだし生理中も、と約2週間にわたって苦しむ人もいれば、生理中のほんの2、3日だけだという人もいます。
また、痛む場所の多くは、子宮がある下腹部が中心ですが、中には腰痛を伴うケースや頭痛を伴うケースも存在します。下腹部から大腿部にかけてしびれるように痛いという場合もあります。
子宮内膜剥離と収縮による痛み
下腹部の主な痛みを引き起こすのが子宮内膜剥離に伴う炎症と子宮の収縮運動です。子宮内膜は胎盤の材料であるため、様々な分泌腺や毛細血管が存在しています。剥離する、というのはそれらを引きちぎって放す作業になるため、炎症を起こします。
炎症を軽くするために、血液を溶かす酵素が分泌されますが、内膜が分厚く量が多かったり、酵素が足らずに血が固まりやすい状況であれば、痛みは悪化します。
また、この収縮を行なおうと子宮が収縮する際にも痛みを引き起こすため、初潮を迎えた直後など排出がうまく行なわれない時には収縮によって排出を促そうとするため、痛みがひどくなります。
腰痛やしびれをもたらす血の巡りの悪化
腰痛や大腿部のしびれなど、下腹部の周囲で起きる痛みや症状は血の巡りが悪くなるために起こる症状といえます。これは、血液によって流される痛み物質が血の滞った場所に溜まってしまうためと言われています。
また、血の巡りが悪いことによって、生理特有の全身のだるさや肩こりも引き起こします。手先、足先の冷えもまた血の巡りの悪さが原因であり、これも生理痛に拍車をかける要因になります。
ホルモンバランスの乱れが引き起こす様々な症状
生理期間中は生理を起こすために様々なホルモンが分泌され、女性の体のホルモンバランスが崩れます。例えば、子宮を収縮させることを誘発するホルモンが過剰になりすぎると、吐き気を催すことがあります。
また、こうした種々のホルモン分泌量が変化し、バランスが崩れることで自律神経の不調をきたすため、頭痛などおよそ生理とは関係のなさそうな痛みも誘発されることになります。
こうしたホルモンは脳の視床下部や下垂体から分泌されており、毎日の生活習慣や家事や仕事からくるストレスなどによって脳や神経が疲れていると、正しく指令を下す事ができず、ホルモン分泌量が過剰になることや、逆に不足するなど、バランスを崩しやすくなります。
生理そのものだけでなく、体質や毎日の体調や生活習慣など様々な要因が重なって生理痛は起きます。日々の生活を整えることで、痛みを最小限にし、なるべく辛くない生理期間を過ごしたいものです。
まとめ
ひどい生理痛。その症状とは?
1つには決まらない生理痛のメカニズム
個人差の大きい生理痛
子宮内膜剥離と収縮による痛み
腰痛やしびれをもたらす血の巡りの悪化
ホルモンバランスの乱れが引き起こす様々な症状