整形外科とは 、骨折などの骨の異常や疾患だけでなく靭帯、腱、関節、血管、神経などの運動器に関わる外傷や疾患の診断、治療、リハビリテーションなどを行う診療科です。
動く動作に異常がなければ、受診する機会の少ない整形外科ですが、肩こりや腰痛をはじめ、多くの女性が抱えている問題を診察、治療しています。
受診する機会の少ない整形外科とは(前編)
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整形外科の診療内容とは
外科や形成外科という整形外科と名前の雰囲気が似ている診療科がありますが、それぞれ診療している内容は違います。そのため、どの診療科を受診するのが適しているのか迷ってしまう方もいると思います。
外科は、他にも脳神経外科や乳腺外科、呼吸器外科などそれぞれの得意分野によってさらに細かい分野にわかれており、整形外科もそのうちのひとつです。
しかし、その他の外科では、主に手術を行う診療科であるのに対し、整形外科では手術以外にも捻挫や打撲、骨折、関節痛などの手術を行わない保存的治療を行う場合が多くあります。
形成外科は多指症や痣など先天性の身体表面の疾患を正常な状態にするための手術を行います。また、外傷や腫瘍などによって損傷した身体の部位を再形成するなど、美容的な治療を行います。
形成外科は、単独で機能するよりも、外科で乳がんの手術を受けたあとの乳房再建術を担当したり、皮膚科で治療した火傷のあとをきれいに再生するなど、他の診療科と協働して治療を行う場合が多くあります。
女性に多い整形外科疾患
整形外科を受診する女性は、意外にも多くいます。捻挫や骨折をしない限り、受診する機会は少ないですが、実は女性の抱える身体のさまざまな問題を診療しているのです。
例えば、女性に多いといわれるリウマチ、骨粗しょう症、またそれに伴って起こる変形性膝関節症や変形性股関節症などです。
リウマチは自己免疫疾の一種であり、働き盛りの30~50歳くらいの女性が多く発症し、骨と骨をつなぐ関節や骨を守っている骨膜で異常な免疫が働くことにより、炎症を起こし次第に変形してしまいます。
そのため、関節に痛みやこわばりを生じます。国の難病にも指定されており、生活に支障をきたす疾患ではありますが、命を脅かすようなものではありません。
また、近年は医療が充実してきたことで、早期に免疫の異常を抑えて炎症を鎮める薬物療法を行うことにより、進行を抑えることができるようになりました。さらに、症状にあわせて運動療法や物理療法などのリハビリを取り入れることにより、生活の質を維持することができます。
骨粗しょう症は、女性ホルモンの影響を大きく受けているため、閉経後の女性に多くみられます。骨粗しょう症を放置してしまうと、骨折しやすくそのまま寝たきりになってしまうこともあります。
また、関節に体重の増加や加齢に伴う負荷がかかることにより、変形性膝関節症などの疾患を招いてしまいます。そのため、整形外科では内服や注射によって女性ホルモンを補う薬物療法を行い、骨粗しょう症を治療していきます。
変形性膝関節症などの症状が悪化し、痛みを生じるなどの支障が出た場合は、手術療法も行われます。
まとめ
受診する機会の少ない整形外科とは(前編)
似たような診療科の整形外科との違い
女性に多い整形外科疾患