「受診する機会の少ない整形外科とは(前編)」では、女性に多く発症する整形外科疾患をご紹介いたしました。後編では、女性に多い外反母趾がもたらす影響や治療法についてご説明いたします。
整形外科とは 、外反母趾だけでなくリウマチや骨粗しょう症、またそれに伴い起きる変形性膝関節症や変形性股関節症などの治療などもおこないます。
受診する機会の少ない整形外科とは(後編)
外反母趾がもたらす怖さ
女性の足は、男性に比べて親指のつけ根が飛び出て見え、人差し指側に曲がってくの字に変形した状態になることがあります。この状態を外反母趾といいます。
外反母趾になる元々の原因はさまざまですが、女性に多い理由は男性よりも筋力が弱く足にかかる重力が弱くなってしまうためだと考えられています。
症状が比較的軽い間は痛みもなく、外反母趾であることに気づかずに過ごしている方もいます。しかし、外反母趾は体にとって悪影響を与えることがたくさんあります。
外反母趾では足裏が不安定になり、バランスや姿勢が悪くなります。しっかりと足裏の筋肉が使えないために、さらに筋力低下を招き、外反母趾を悪化させてしまうという悪循環を招きます。
外反母趾は歩き方の癖などが原因で起こる場合も多いため、今まで通りの生活を続けているだけでも悪化してしまいます。そして、バランスを身体の他の部位で補うために負担がかかり、肩こりや腰痛、頭痛をはじめとする身体の不調を引き起こします。
また、変形が強くなり歩行に支障が出てしまうと手術をしなければ治らないということになりかねません。そのため、痛みがないからと軽視せずに、早めに整形外科を受診して治療を受けるようにしましょう。
また、足先の細い靴や高いヒールは外反母趾の誘因になるため、できるだけ靴の中で指が動かせる余裕のある、足に合った靴を履き正しく歩くことを心掛けましょう。
必要なときに適切な病院にかかること
捻挫や打撲、腰痛、肩こりなどは、それが怪我によるものでも疲労によるものであっても、病院に行くほどではないと感じる方もいると思います。その際、待ち時間もなく通いやすいという理由から接骨院に行く方がいます。
接骨院は接骨師による施術を受けることはできますが、医師ではないため診断や治療を行うことはできません。さらに、施術を行えるのは捻挫と打撲に限定されます。そのため、医療保険を利用して施術を受けたとしてもほとんどは捻挫として処理されます。
医師が行う医療行為ではないにも関わらず、腰痛や肩こりなど身体の痛みを和らげるために接骨院で施術を受けている方は少なくはありません。しかし、長期間施術を受けるためには医師の同意が必要になります。
身体に起こっている痛みが、筋肉の緊張などからくるもので、施術を受けて緊張がほぐれることにより症状が軽快していくようであれば、問題ないのかもしれません。
しかし、その痛みが病気によるものである可能性もあります。そのため、症状がある場合は、まず整形外科で適確な診断を受けるようにしましょう。
まとめ
受診する機会の少ない整形外科とは(後編)
外反母趾がもたらす怖さ
適切な病院にかかること