「緑内障の点眼液でまつげがのびるという話は本当だった(前編)」では、緑内障点眼薬の作用や効果についてご説明いたしました。後編では、なぜ 緑内障 治療薬により まつげ が育毛されるのか、また治療薬の種類についてご説明いたします。
緑内障の点眼液でまつげがのびるという話は本当だった(後編)
緑内障治療薬がまつげ育毛剤となる理由
プロスタグランジン系の緑内障治療薬は、まぶたの真皮乳頭(皮膚の表皮部分)や外毛根(毛の根元)に存在するプロスタグランジンF2α受容体やE3受容体に働きかけ、まつげの成長期の延長、休眠期の短縮と休眠状態にある毛根受容体を刺激する作用があります。
その作用がまつげを長く、太く、多くするようなまつげの育毛を行うことになるわけです。プロスタグランジンとは、人間の血圧、睡眠、免疫の調節に必要な生理活性物質のことです。
受容体とは、外界や体内から何らかの刺激を受けるあるいは情報として使用できるように変換する仕組みを持った構造あるいは細胞機能に変化を生じさせる物質のことです。
プロスタグランジン系の緑内障治療薬
ルミガン点眼液0.03%
発売元千寿製薬(株)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ナトリウム、塩酸、酸化ナトリウムなどの添加物を含む。副作用として、まつげの異常(まつげが長くなる、太くなる、濃くなるなど、多毛症)、結膜充血、眼瞼式沈着、虹彩色素沈着、眼そうよう症、角膜ビランなどの報告があります。
別にケアプロストという名前の治療薬がありますが、これはルミガンのジェネリック薬品で成分はルミガンと同じです。
もう1つルミガンと同じ成分でまつげ育毛剤として発売されているラティスという美容液があります。名称が違うだけで中身はルミガンと同じです。美容液として使用する場合は色素沈着や目の充血、目のかゆみ、眼圧低下などの副作用がありますから注意が必要です。
トラバタンズ点眼液0.004%
発売元日本アルコン(株)、緑内障、高眼圧治療剤です。成分や副作用はルミガンとほぼ同じです。但し唯一トラバタンズだけは塩化ベンザルコニウム(BAC)が含まれていません。BACは長期に投与すると角膜に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。
レスキュラ点眼液0.12%
発売元(株)アールテック・ウエノ、成分、副作用ともにルミガンとほぼ同じです。
キサラタン(テタノプロスト)点眼液0.005%
発売元ファイザー(株)、成分、副作用ともにルミガンとほぼ同じです。
タプロス(タフルプロスト)点眼液0.0015%
発売元参天製薬(株)、成分、副作用ともにルミガンとほぼ同じです。
緑内障治療薬をまつげに付ける方法
まつげ用アプリケーター(製造元Succeed Holdings/HK)が販売されています。1袋30本入りで1本ずつ完全減菌処理がされています。
アプリケーターの先端部に治療薬を1滴垂らして、アイラインを引くようにまつげの根元部分にスッと引いて付けて、はみ出した液は拭き取ってください。1日1回1滴です。なお100均で売っているアイシャドウのチップを使っている人もいます。
まとめ
緑内障の点眼液でまつげがのびるという話は本当だった(後編)
緑内障治療薬がまつげ育毛剤となる理由
プロスタグランジン系の緑内障治療薬
緑内障治療薬をまつげに付ける方法