りんご病はかわいい病名と裏腹に、大人が罹ると重症化することが知られています。
子供と接することの多い母親に多いという 大人 の りんご病 にはどのような 治療 が施されるのでしょうか。検査方法などと併せてご紹介いたします。
対症療法しか治療法のない大人のりんご病にご用心!
大人がりんご病に感染したら
幼児や学童を中心にした小児を中心にして流行する感染症であるりんご病ですが、子供を看病することの多い20~30代の母親にも感染することがあり、注意が必要です。
りんご病の病原菌であるヒトパルボウイルスB19に対して免疫のある大人は50~70%だと言われています。
小児の場合、りんご病に感染しても、病名の由来にもなっている頬に赤い発疹が出るくらいの症状で、それほど重い症状になることはありません。ところが、大人がりんご病に感染すると、症状のあらわれ方や重症度に大きな違いがみられます。
まず、小児のりんご病の特徴的所見である伝染性紅斑と呼ばれる頬の紅斑は大人の場合にはみられることがなく、頬がほてった感じを訴える場合が多いことがあげられます。手や足には小さな赤い発疹がレース状に繋がってあらわれることがあります。
大人のりんご病で特徴的な症状は膝・股関節・腰・手首などに発生する多発性関節痛です。症状の強い方では歩けなくなったり、階段の上り下りができなくなったりする場合もあります。
その他にもむくみ・だるさ・発熱・頭痛など多岐にわたる症状が出るのが大人のりんご病の特色です。
発疹や関節痛などは1週間程度で自然治癒する場合が多いのですが、中には3~4週間にもわたって、よくなったり悪くなったりを繰り返す場合もあります。
小児のりんご病のような特徴的な紅斑がないことや膠原病や関節リウマチなどと間違われがちな多発性の関節痛があることから、大人のりんご病はなかなか確定診断にたどりつかないとも言われています。
大人のりんご病の治療
残念ながら、小児のりんご病と同様に、大人がりんご病に罹っても特効薬はありません。自然治癒を待ちながら、関節痛などに消炎鎮痛剤などが処方される対症療法を施されることになります。発疹に関してもかゆみがある場合に塗り薬が処方される程度です。
入浴も可能ですが、熱すぎるお湯は発疹を悪化させることがあるので注意してください。また、直射日光も肌への刺激になってしまうので、長袖でカバーするようにするとよいでしょう。
上述のように多発性の関節痛や筋肉痛がみられることがあるために、膠原病や関節リウマチなどと間違えられることがあるので、確定診断のためには採血をしてウイルス抗体を調べる場合があります。この検査は妊婦の場合には保険適応で受けることができます。
採血した血液のIgG抗体とIgM抗体を調べることで、IgG抗体が陽性であれば過去に感染した抗体がある・IgG抗体が陰性であれば抗体がない・IgM抗体が陽性であれば感染して3ヶ月以内である・IgM抗体が陰性であれば感染していないので抗体がないということがわかります。
IgG抗体が陰性でIgM抗体が陽性であれば、初感染ということになります。妊婦以外は保険適応外ですが、5,000円程度の費用でこの抗体検査を受けることができます。
大人のりんご病の注意点
大流行を引き起こすことはないりんご病ですが、やはり家庭内二次感染は多いようです。家族に感染者がいる場合、抗体をもっていない場合には50%が感染するという報告があります。
りんご病は飛沫感染ですので、家庭で看護にあたる場合にはマスクを着用し、ドアノブなど患者と家族が共通して触る箇所の除菌などに努める必要があります。
とりわけ、妊娠20週未満の妊婦がりんご病に罹ると胎児に影響が出る場合がありますので、注意してください。妊娠20週を過ぎると胎児に影響が出る確率が10%以下に下がると言われています。
残念ながら、りんご病にはインフルエンザのようなワクチンも存在しません。子供の保育園・幼稚園・学校などでりんご病が流行っていないかどうか、チェックすることも大切です。
また、自分がりんご病に罹ったことがあるかどうか、親御さんに尋ねておくことも早い診断の助けになるでしょう。
まとめ
対症療法しか治療法のない大人のりんご病にご用心!
大人がりんご病に感染したら
大人のりんご病の治療
大人のりんご病の注意点