卵巣は他の臓器の裏側にあるため異常が発見しにくい臓器です。その上、何か異常があっても自覚症状はかなり進行しなければ出ないため、病気を早期に発見するには、定期的な検診を受ける以外に方法はありません。
卵巣がん はどんな人がなりやすいのかを知り、日頃から気にかけておくことが大切です。何かおかしいと感じてからでは手遅れになってしまう怖い病気が潜んでいるかもしれません。
卵巣がんから身を守るために必要なこと
卵巣は「がん」が出来やすく見つかりにくい臓器
女性の身体には子宮を挟んで左右に二つの卵巣があります。左右の卵巣はランダムに交代して卵子を成熟させ、月経の度に排出する役目をしています。
この時、卵巣内の組織は傷ついてしまうので修復されます。このように月経によって卵巣内は定期的にダメージを受ける状態となっており、腫瘍ができやすい原因となっているのです。
腫瘍には、他に転移することがなくゆっくりと進行する良性のものと、どんどん大きくなり他の臓器にも影響を及ぼす悪性のものがあります。
腫瘍には組織の種類によって分類され、表層上皮性間質性腫瘍、性索間質性腫瘍、胚細胞腫瘍、その他の腫瘍となっています。この内、卵巣がんと呼ばれている悪性の腫瘍は表層上皮性間質性腫瘍が圧倒的に多くなっています。
また卵巣は出血などの異常があっても外部に表面化することがなく、自覚症状もなかなか現れてこないため、発見が遅れがちな臓器でもあります。
お腹に水が溜まる腹水や、他の臓器への転移が先に発見されてから卵巣がんが見つかるケースが多く、その頃にはかなり深刻な状態となっていることも少なくありません。
卵巣がんになるリスク
卵巣がんは様々な原因で発症します。一番大きな要因は遺伝によるもので、患者の約1割は近親者に卵巣がんの経験者がいると言われています。
近親者に卵巣がんか乳がんの発症したことがある人がいる場合、他の人よりもリスクは3倍高くなるというデータもあるため、心当たりがある人は注意が必要です。
卵巣がんは、排卵の回数が多い人ほどリスクが高まるため、初潮が早い、閉経が遅い、頻発月経、出産経験がないなどの要因が原因となることがあります。
これらに該当する人は、女性ホルモンのエストロゲンの影響を過剰に受けている傾向があり、卵巣がん以外にも女性特有の疾患にもかかりやすくなっています。
また最近は不妊治療による排卵誘発剤の使用や、更年期障害や生理不順の治療に使われるホルモン剤が、卵巣がんの患者が増加している原因として考えられています。
不妊治療や生理不順の治療は、近年の女性のライフスタイルの変化によって年々増加傾向にあります。晩婚やストレスの多い生活が女性本来の生態のバランスを狂わせ病気の一因となっているのです。
卵巣がんで手遅れにならないためにできること
卵巣がんは症状が出る前に発見しなければならないため、日頃の心構えが大切です。身体の調子が悪くない時に自分の身体を気づかったり、検診を受けることは難しいかもしれませんが、月経の周期を知る事や、年に一度の検診を受けることを習慣付けましょう。
月経の周期が把握できていれば、いつもと違う周期や月経血の量などで一早く異常に気付くことができます。
生理不順は特に治療をしなくても生活に支障がないため、そのままにしておく人も多く見られますが、将来的に不妊や卵巣がんなどの原因となる可能性があるため、早めに婦人科の病院に相談しましょう。
卵巣がんは早い段階で見つけることができたら生存率はかなり高くなります。また肥満や喫煙などの生活習慣も原因となるため、規則正しい生活スタイルを維持することも大切です。
まとめ
卵巣がんから身を守るために必要なこと
卵巣は「がん」が出来やすく見つかりにくい臓器
卵巣がんになるリスク
卵巣がんで手遅れにならないためにできること