卵巣嚢腫 という病気をご存じでしょうか。女性の病気の中でも発生する頻度が高いと言われているものの、自覚することが難しく発見するまでに時間がかかることの多い病気です。ふと感じる 症状 から、「もしかすると卵巣嚢腫かもしれない」と思った方は、一度病院で検査・診断を受けることをおすすめします。
初期段階での発見をするために、ご自身の自覚する症状を見逃さないことが重要です。
症状から見つける卵巣嚢腫
卵巣嚢腫とは
卵巣嚢腫とは、卵巣にできた良性の腫瘍の一種です。卵巣の中に液体成分が溜まって腫れている状態を指します。近年では、婦人科系の臓器に発生する腫瘍の中でも子宮筋腫と並んで発症する頻度が高いと報告されています。
卵巣嚢腫にはいくつかの種類がありますが、共通しているのは卵巣が腫れて大きくなるということです。成人女性の正常な卵巣の大きさは2~3cm程ですが、それが腫れて大きくなり、場合によっては10cmを超えるケースもあります。
卵巣嚢腫の症状の具体例
卵巣嚢腫の主な症状としては、下腹部の膨隆や違和感、時折起こる軽い下腹部痛、下腹部にしこりがある、便秘、頻尿、などがあります。
卵巣は子宮の左右両側にひとつずつありますが、片方だけ発症することが特に多いです。ですから、左右どちらかの下腹部が張ったり膨らんできたりする事が起こります。しかし、これらはある程度嚢腫が進行した場合の症状であり、発症したばかりの初期段階ではほとんど無症状であることが大多数です。
卵巣嚢腫は見つかり難い
卵巣嚢腫は症状の自覚がし難く、そのために発症していてもすぐには発見することができないケースが多いと言われています。卵巣が大きくなっていく事が特徴の病気ですが、その進行速度が緩やかなため、気づきにくいのです。
また、嚢腫の茎が捻転するなどして急性腹症を起こした場合の強烈な腹痛を除いて、痛みも強くありません。下腹部が張り膨らんできて、今まで履いていたスカートやジーンズがきつくなったと感じても、肥満であると思い過ごしてしまうことが多いようです。
便秘や頻尿についても、体質だからと考えてしまうことがほとんどでしょう。卵巣の大きさが10cmを超えても、その進行が緩やかで痛みも強くないために気づかない人も居るのだといいます。一説では、卵巣という臓器は身体の中で一番腫瘍のできやすい臓器であるなどと言われていますが、その一方で卵巣嚢腫はその発見がとてもし難いのです。
卵巣嚢腫のもたらす障害と対策
卵巣嚢腫は大部分が20~30代に発生します。このような若い世代に発症した腫瘍は良性であることが多いです。
しかし、高齢になってから発症が確認されたものは悪性に変化していることがあり、この場合は「悪性腫瘍」、いわゆる「癌」ということになります。そうなると摘出手術、抗癌剤治療が必要になり心身ともに大変な負担がかかります。
ですから、若いうちに卵巣嚢腫が発見された場合には、定期的に腫瘍の大きさを観察し、大きさが5cmを超えてくるようであれば手術による摘出も視野に入れながら適切に経過をみていくことが大切になります。悪性の可能性も含め、このまま放置しておくと危険であると医師が判断した際に手術をすすめられます。
該当する症状があったら、まず受診を
症状から病気であると自覚のし難い卵巣嚢腫ですが、初期段階で発見ができれば、慎重に経過観察し手術の必要性を医師と相談することができます。
卵巣の正常な機能は、これから子供を授かりたいと考えている世代の方にとって大切なことです。ご自身で当てはまる症状をお持ちの方は、一度病院を受診してみましょう。
まとめ
症状から見つける卵巣嚢腫
卵巣嚢腫とは
卵巣嚢腫の症状の具体例
卵巣嚢腫は見つかり難い
卵巣嚢腫のもたらす障害と対策
該当する症状があったら、まず受診を