PMSとはPremenstrual Syndromeという英語を略したもので、排卵から月経までの3~10日間に起こる心身の不調のことで、日本語では月経前症候群と呼ばれています。不快な症状を緩和するためにピルが処方されることがあるといいます。
PMS の治療薬としての ピル についてご紹介いたします。
メカニズムを知って安心、PMSの治療薬としてのピル
PMS(月経前症候群)とは
月経の3~10日前になるとさまざまな不快な症状があらわれることがあります。身体と心に症状が出て、月経の開始とともに症状が解消するのがPMS(月経前症候群)の特徴です。
PMS(月経前症候群)の症状は非常に個人差が大きいものですが、イライラや落ち込み・肌荒れ・むくみ・頭痛・腰痛・吐き気・眠気・集中力の低下などが主なものと言えます。
特に多いのが、精神的な影響です。怒りっぽくなったり、泣きやすくなったりと、精神的に不安定になることが少なくないと言われています。
ある調査によれば女性の9割はPMS(月経前症候群)の症状を経験したことがあることが判明しています。
特にPMS(月経前症候群)になりやすいのは20代後半から30代だと言われています。結婚・妊娠・出産などで大きく生活が変わることがその一因であるとも考えられています。
PMS(月経前症候群)の原因
PMS(月経前症候群)の原因としてまず考えられるのは、プロゲステロンという女性ホルモンの影響です。ご存知のようにプロゲステロンは女性の身体を妊娠しやすくする働きをするホルモンで、子宮の収縮を抑制し、栄養や水分を体に溜めるという役割があります。
排卵後から月経までの間、多く分泌されるこのホルモンの影響で血行不良が起こることが、さまざまな不調の原因になっているのではないかと考えられています。
また、排卵後、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少することによって、セロトニンとい脳内物質が低下することが精神的な不安定さの原因になったり、集中力を低下したりするのではないかとも考えられています。
さらにビタミンやミネラルのが不足するとPMS(月経前症候群)の症状が悪化するということもわかってきました。
PMS(月経前症候群)の治療薬としてのピル
ピルは避妊薬というイメージが強いかもしれませんが、低用量ピルはPMS(月経前症候群)の症状を改善するために用いられることの多い薬です。
上述のようにPMS(月経前症候群)の症状は排卵前後のエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の急激な変化が影響していると考えられています。
そこで、PMS(月経前症候群)の治療としてエストロゲンやプロゲステロンに似た働きをもつ低用量のピルを内服して、排卵を抑制することによってホルモン量を一定に保つという方法がとられるのです。
女性ホルモンをピルによって摂取すると、女性の脳は女性ホルモンを分泌しなくてよいと判断するようになるため、卵巣を刺激して排卵を促すホルモンが分泌されなくなる結果、排卵が起こらなくなるのです。
ピル服用のメリット・デメリット
PMS(月経前症候群)の治療として低用量のピルを内服することによって、女性ホルモンのバランスが整うことになり、月経が規則的になります。
また、生理痛の原因といわれているプロスタグランジンの分泌量が減少するため、生理痛が軽くなることも期待できます。さらに、肌や精神状態が安定し、卵巣がんや子宮体がんの発症リスクを低くする効果もあると言われています。
一方、副作用として、頭痛や吐き気、不正出血などが起こることがあります。また、ごく稀ではありますが、血栓ができることがあると言われています。
現在ではPMS(月経前症候群)の治療に用いられるピルの種類も増えてきていますので、かかりつけ医と相談しながら、自分にあったピルを選ぶことも大切です。服用中の検診が必須なのは言うまでもありません。
まとめ
メカニズムを知って安心、PMSの治療薬としてのピル
PMS(月経前症候群)とは
PMS(月経前症候群)の原因
PMS(月経前症候群)の治療薬としてのピル
ピル服用のメリット・デメリット